番外編
□忍足くんと体調管理
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「ケホっケホっ」
「風宮さん、大丈夫?最近、調子が悪そうだけど」
「ごめんね、滝くんっケホっケホ!」
「ああ、また。保健室まで付き添うよ。歩ける?」
「あ、ありがとう」
「滝やん、それに風宮さん、どないしたんや?」
「なんで忍足くんがここにっケホケホ」
「俺のことは気にせんといて」
「へぇ、忍足、保健の先生は?」
「生憎、職員室に呼ばれとる。風宮さんはもしかしなくても風邪か?」
「そうなんだ。辛そうだったから保健室に付き添ってきたんだけど。そっか、先生居ないのか」
「滝くん、いいよ。次の授業に遅れるといけないからもう教室に戻って。付き添ってくれてありがとう。」
「風宮さん、無理しないでね。忍足、なんでお前が保健室にいるか知らないけど、風邪引いてる彼女にちょっかい出すなよ。」
「アホ、誰がちょっかい出すか!」
「ケホケホ、滝くんならもう教室に戻っていったけど」
「……(滝め)」
「……保健室の利用書書いたから私はベッドで休むよ。先生来たら起こして」
「あかん、無防備すぎるやろ。」
「ケホっえっ?何?」
「いや、風宮さん、体調管理出来てへんやろ。この間も風邪拗らしてたやん」
「あ、あの時はごめんね。迷惑かけて」
「それもやけど、俺ら今年は受験生やん。出席日数や平常点は内申点に響くやろ。自分、そんなんでええんか?」
「よ、良くない。」
「ほなら、風邪を一発で治す方法を教えてあげるわ。」
「え?そんな方法、あるの?」
「そうや。瞳を閉じて、じっとしてるんやで」
「ケホ、わかった。」
「ほな、行くで」
ガラッ
「ごめんね、忍足くん。話が長引いちゃってもう教室に戻っていいわよって……何してるの?」
「「あっ、先生」」
「風宮さんは風邪ね。忍足くんはものもらいだけど今度から保健室の利用禁止するわよ」
「ものもらい?」
「先生、堪忍してや。俺は何もしてへん」
「そうね、今回は未遂だから見逃してあげる。だけど、次はないわよ」
「未遂?」
「風宮さん、ベッドで寝てていいわよ。忍足くんは授業に戻って」
「はい、ほな。失礼しました。風宮さん、お大事に」
「ありがとう。……あの先生、風邪が一発で治る方法ってあるんですか?」
「風宮さん、貴女もいつかわかる日が来るわよ」
「?」
END