番外編

□忍足くんとキスの日
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「風宮さん、見つけたで」

「忍足くん」

「今日なんの日か知っとる?」

「唐突に来てなんなん。知らんよ」

「ほんまに?」

「ほんまっ……て、なんで嬉しそうに笑うの」

「え?ああ、今日も可愛らしいな思うて」

「へっ?」

「その表情も可愛らしいな。」

「………。」

「疑り深い目もええね」

「何を企んでるの?」

「何も企んでへんよ」

「嘘だ」

「嘘ちゃうで。なあ、近付いてもええか?」

「近付いてもいいけど。忍足くんもここでお昼食べるの?」

「せやで。嫌か?」

「なんなん。いつも部活のみんなで食べてるから不思議だなと思って」

「たまには見晴らしのええ屋上で風宮さんと一緒がええなと思うてな」

「そっか。」
「そうや。」


「……。」
「……。」

「……。(なんか気まずい。しゃべったほうがいいかな?)」

「風宮さん」

「は、はひ!?」

「ご飯粒ついとるで」

「へ!?ど、どこ!?」

「あ、そことちゃう。……じっとしとり取ったるさかい」

「あ、はい。」

ちゅっ

「!!??」
「ふっ……その鳩が豆鉄砲を食ろうたような顔も可愛らしいで、葉月ちゃん」

「お、おし……なんで!?」

「なんでって今日は【キスの日】やからな。イベントには乗っからんとな」


「おっ、忍足くんのいけず!」


END

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