番外編

□忍足くんと七夕
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「今頃、二人は雲の上で年に一度の逢瀬を迎えてるんやろうな。めっちゃロマンチックやん」

「侑士、そういうのは女といる時に言えよ。例えば風宮とか」

「なんして風宮さん?」

「なんでって最近仲良いじゃん」

「まあな。友達やから仲は悪くないんとちゃうか」

「トモダチね。あ、風宮」

「え、どこにおるん?」

「嘘だよ。」

「岳人……」

「悪かったって風宮がそう都合よく商店街にいるわけないだろって、……風宮?」

「岳人、ええ加減にせぇよ。もうその手には乗らん」

「あれ?忍足くんに向日くんじゃない。商店街で何してるの?」

「……風宮さん」

「(侑士のやつ、驚きすぎて一瞬心閉ざしかけたな)よう、風宮。お前こそなんで商店街にいるんだ?」

「商店街にある笹の葉にお願い事書こうと思って。二人は?」

「部活帰りや」
「笹の葉って中央に飾られたでけぇやつか?」

「そうだよ。二人はもう書いてきた?」

「いやまだ書いてねぇよ。これから」

「良かったら風宮さんも一緒に行かん?」

「いいよ」


【商店街の中央】

ざわっざわっ

「賑わってるなー」

「まあ屋台も少しあるからね」

「お二人さん、俺から離れんようにな」

「「はーい」」


数分後ーー

「なあなあ、願い事何書いた?俺はもっと高く跳べますように!って書いた。」

「私はみんなが健康でいられますように!って書いたよ。……忍足くんは?」

「俺か?ヒミツや」

「クソクソ、ずりぃぞ!侑士!」

「はいはい。短冊、高いとこに吊るしたるから許してや。風宮さんも短冊、一緒に吊るしたるわ。貸しぃ」


「ありがとう。」

END

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