番外編
□忍足くんと葉書
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「♪〜♪〜」
「なんや今日はえらい機嫌よさそうやな、千紗さん」
「えへへ、もうすぐ推しの葉書が届くの。この間情報があって、今から待ち遠しいんだ」
「推しなぁ、ちなみに推しって誰や?」
「ヒミツ♪これだけは言えない」
「なんやいけずやな」
数日後ーー
「なんや、この絵葉書、俺か?なんしてこんなところに?」
「……ただいま〜(郵便受けに入ってなかった)」
「おかえり(この絵葉書の宛先は葛城千紗。なるほどな……)探し物はこれか?お姉さん」
「え、忍足くん。それ、私の葉書!って、ことは裏面見た?」
「ああ、バッチリな」
「ああ、そっか」
「これを見る限り推しって俺のことやんな。なあ?」
「うわーすっごい嬉しそうな顔だね。」
「当たり前やん、うちの姫さんの推しが俺って光栄なことやんか」
「姫さんって。……はぁ、こうなるから忍足くんには教えたくなかったのに今日は不運続きだ」
「不運続き?」
「帰ってくる前にちょっと仕事で失敗してね。怒られちゃって……」
「ほな、これで不運は終わりやな。"推し"の俺が自分に葉書渡すんやで。ええやろ?」
「忍足くん」
「だから、もうそんな落ち込んだ顔せんで笑ってや。姫さん」
「姫さんって言わないで。普通に、名前で呼んでほしい」
「千紗さん、自分はほんまによう頑張ってるで。なんかあっても俺が全部受け止めたる。せやから…」
♪〜♪〜
「あ、ご飯が炊けたみたい」
「なんや間が悪いな」
「葉書、ありがとう。あと励ましてくれてありがとうね。元気貰えた(本物の威力はすごい)」
END