番外編

□忍足くんとシール
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【屋上】


「風宮さん」

「あ、忍足くん。君もここでお昼?」

「まあな。今日の風宮さんのメシは菓子パンか」

「うん。寝坊して作る時間なくて」

「……。」

「……な、なに?」

「そのパンの袋についとるシール」

「ん?あ、ああ集めると白いお皿が貰えるってやつ?」

「そやねん。オカンが集めとって」

「なるほど」

「もし、捨てるんやったら俺がもろうてもええか?」

「いいよ。と言うかしばらくはこの菓子パン続きだと思うし。それも忍足くんにあげるよ」

「ほんまか。」


翌日の昼放課ーー

【屋上】


「あ、これ2点だ」

「ほんまか」

「ほんとほんと、ほら」

「ほんまや、2点やな」

「0.5点とか1点とかは見かけるけど2点って珍しいよね」

「そやね。あ、せや、これオカンが風宮さんにってお弁当」

「えっ、私そんなつもりじゃ…」

「よっぽど嬉しかったんやろうな。昨日シールもろうて機嫌良さそうやったし」

「そ、そうなんだ。忍足くんのお母さんって可愛らしいね」

「まあな。それに女の子からもろうたって言うたら菓子パンばかりはあかんきちんと栄養とらなあかんよ、って」

「ほんまけぇ、きのどくなぁ」

「おすすめはだし巻き卵や。食べたって」

「い、いただきます。………あ、 あんごおっちっちゃ〜」

「なっ、オカンのメシは美味いんや。まあ唐揚げは岳人のオカンのほうが絶品なんやけどなぁ」

「こんな気を遣ってもらっちゃって、お返しどうしよう」

「お返しなんて2点のシールでええよ。」

「そ、そんな悪いよ」

「ほんなら、……今度ウチへオカンに会いに来てや」

「えっ?」

「オカンが葉月ちゃんに会いたいらしいねん。」

「う、うそ」

「嘘ちゃうよ、オトンも姉貴も会いたがってるし」

「い、いや。そ、それだけは無理ちゃ」

「なんでや?」

「き、緊張して恥ずかしい」

「かわええなぁ、葉月ちゃん」

♪〜♪〜

「あ、もしかしてまた私のことからかったの!?もう、ご馳走様でした。お母様にお弁当美味しかったですって伝えといて。じゃ、次移動教室だから。」

「おん、……今回は結構本気やったんやけどな。残念」


END

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