番外編

□忍足くんと里帰り
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「葉月ちゃんは、里帰りするん?」

「そうだね、久々におばあちゃん達に会いたいなと思ってるよ」

夜、スマホで電話する私と侑士くん。話題は里帰り。


「侑士くんは里帰りする?」

「んー、俺ん場合は…」

「おい、侑士!風呂上がったで!」

「げっ、謙也」

「え?謙也くん?」

電話の向こうでぎゃあぎゃあ言い合う声がする。喧嘩してる?

「おーい、どうしたの?」

「よう、風宮元気か?」

「あ、謙也くん。うん、元気だよ」

「謙也!返せや!」

「嫌や!」

返せ、返さない、と言い合う2人にビデオ通話にする?と提案を持ちかける。

「なんや、風宮は北陸新幹線で帰るんか?」

「そのつもり、2人はこっちで過ごすの?」

「そうやな、けど正月には新幹線で大阪に帰るで」

「そうなんだ」

「その前にやることがあるんや」

「おん、明日商店街の福引きに参加するために買い物が……せや、風宮さんがおるやん」

「え?」

何故そこで私?
首を傾げていると侑士くんの言葉に謙也くんも首を傾げていた。

「前に商店街の福引きで特賞当てたって聞いたで」

「ほんまか、それ!」

侑士くんの言葉に謙也くんが目を見開いて私に言う。

「あ、ああ。あったね。そんなことが」

あれのおかげでまあ色々な経験させてもらったなぁ。そんなことを考えていると謙也くんが「ほな、風宮も参加な」と言う言葉が聞こえる。

「はい?まだ参加するなんて言ってないけど」

「いやいや、ここは参加やろ。なんせ今回の特賞は北海道旅行やで!」

「そやそや、引きが強いなら尚更参加せな。勿体ないわ!」

ちゅーわけで、明日迎えに行くから準備しといてな!と反論する隙も与えられず通話が切れた。

「北海道旅行、か。」


その後、侑士くんからメールで「謙也が白熱して堪忍な。明日迎えに行くわ。楽しみやな」と言う内容が届いた。


END

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