番外編

□忍足くんと初詣
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「あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします」

「あけましておめでとうさん。今年もよろしゅうお願いします」

ほな、行こか。と待ち合わせ場所で待ってた私の手を繋ぐ侑士くん。

「おばあちゃんらは元気やった?」

「うん、元気だった。そっちは?」

「みんな元気やったわ。」

「そっか」

たった数日間、北陸と関西で会えなかっただけだけど。侑士くんと話すとここに帰ってきたんだなと思えるのはなんでかな。安心すると言うか…。


「そや、姉貴と謙也が葉月ちゃんの話するからみんな会いたがってたで」

「そうなんだ。……え?」

前を向いて歩いていた私は侑士くんの言葉に立ち止まって彼の方に顔を向ける。侑士くんは優しい顔をしていた。


「昨年の福引きは鳳が特賞の北海道旅行で葉月ちゃんは一等のお米やったな」

思い出したように笑う侑士くん。そうなのだ。結局、侑士くんと謙也くんはハズレ玉を引いて見事に商店街の術中にはまり爆買いを繰り返し。

私がお米を当てて、ますます、収拾がつかなくなり、そこへ鳳くんが見知らずのおばあちゃんの荷物を持って現れ、おばあちゃんの代わりに特賞を引いたのだ。

「ふふ、だけど楽しかったね」

「せやな、姉貴に呆れられたけどな」

「お姉さん、綺麗な人だった。優しいし」

「他人には猫被るからな。けど、葉月ちゃんには素出してたな」

「そうなの?」

よくわからないな、と言うとこれから知っていけばええやん。と返す侑士くん。

「さあ、着いたで」

「出店もあって賑わってるね」

わいわいと賑わってる神社に私と侑士くんは石階段を登っていく。

「今年の願い事は決まったか?」

「うん、言わないけど。」

願いが叶わなくなると言うと侑士くんがおかしそうに笑う。そんな感じで私たちは歩いていった。

今年も侑士くんが元気にテニスを楽しめますように。

END

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