番外編
□眼鏡の日
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「風宮さん、また眼鏡変えたん?」
「うん、ちょっと眼科検診に引っかかって。……って、なんでわかるの?」
「へぇ、今裸眼でどのくらいなん?」
「私の質問はスルーなわけね。結構低いかも」
「ほなら、眼鏡外して俺の顔見える?」
「うーん、ぼやあ〜としか見えないよ」
「なんや手塚や乾みたいなこと言うな。せや、ほんなら見えるとこまで近づいてくれるか?」
「いいの?」
「ええよ」
「じゃあ遠慮なく」
「って、ほんまに遠慮なく近づいてくるなぁ」
「まあこのくらいの距離なら表情がわかるよ」
「………」
「………」
「……っ、ほぼゼロに近いやん」
「そーだよ」
「まつ毛長いなぁ」
「侑士くんのほうが長いでしょ。さて、もうこの辺にしておこうか」
「自分、こうゆう時は冷静なんやな」
「そうかな?」
「そうやろ、せや。ご褒美に」
ちゅっ
「!?」
「唇やなく悪いなぁ」
「……っ!」
「警戒心なく男の顔に近づく自分が悪い。俺の前だけにしといてや」
「っ〜〜忍足くんのいけず!」
END