空に知られぬ雪

□勝負
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待ち合わせた時間にはまだ少し早いかなと、木の葉の朝の空気を味わいながら、言われた場所にとろとろ歩いて行っていると後ろからよっ!と声をかけられた

振り返るとそこには片手を上げ、もう一方の手はポケットに入れたまま歩いている兄、カカシがいた

「おはよ
偶然だな」

「おはよう、今ちょうど行く途中だった」

「俺もだよ、まっ、じゃあ二人で行きますか」

そう行って歩き始めたお兄ちゃん

ん?行くって?
もうお兄ちゃんと合流できたんだからいいんじゃないの?

「ん?どうしたホマレ」

歩きだしたお兄ちゃんを追いかける

「ねぇ、待ち合わせって誰との?」

お兄ちゃんとじゃないのと問いかける
てっきりお兄ちゃんとだと思ってた


「あれ?言ってなかったか??

ナルトとサクラだよ

俺の部下」

「ナルト君とサクラちゃん?
それなら昨日会ったけど…?」

まさかもう忘れてるの?と訝しく聞く
さすがに昨日の今日で忘れてるとなると…


「あのねぇ…
忘れてるワケないでしょうが」

呆れた様子で言われる


いや、だって、本当に忘れてるのかと思ったんだもん


「あいつらがねぇお前を連れてこいってうるさいんだよ」

「私を?」

「あぁ
まぁ、俺も、お前にあいつらを知っておいてもらいたいからちょうどいいっちゃちょうどいいんだけどね」

「ほうほう」


そんな話をしながら歩いて向かっていると、待ち合わせ場所としたそこには黄色い頭とピンクの頭をした二人組がすでに陣取っていた


「えぇ!!カカシ先生今日は早いってばよ!!!」

「え?カカシ先生?

あっ本当!今日は早い!!!
って、あっ!!ホマレさん!」

「ホマレの姉ちゃん!
おはようだってばよ!!」


朝から賑やかな二人に手を振る
お兄ちゃんも片手を上げている

「カカシ先生!遅刻しないなんて珍しいってばよ!!」

「ほんとよ!時間通りに来るなんて!!」


二人にそう言われるお兄ちゃん

遅刻?私の知ってるお兄ちゃんは時間とか絶対遅れたりしない人だった気がしたんだけど…
何度か遅れたりしたんだろうか?

首を傾げて隣にいるお兄ちゃんを見る

「はいはい、いいだろそれは
今日はお前らのいう通りホマレを連れてきたんだから挨拶でもしなさいよ」

んま、一回や二回用事とかなんかで遅刻したのかもしれないな

一人で結論づけ視線を元に戻す

「あっ、そうだってばよ!!」

「「ホマレさん/ホマレの姉ちゃん!」」

いきなり二人に名前を呼ばれる


「ん?」

「ホマレさん、くノ一なんですよね!」

「え?あ、まぁ一応…?」

それがどうしたんだろう
話がわからないまま肯定する

「俺たちと勝負して欲しいんだってばよ!!」


「はぁ?!」

何を急に言い出すのかと思ったら

「勝負って修業ならお兄ちゃんにつけてもらいなよ、先生なんでしょう?一応」

なんで私が、、、

せっかくの休みなのに


お兄ちゃんに助けを求めて視線を移すけど当の本人は面白そうに笑っているだけ

ちょっと!あんたの部下でしょうが!?!!

「あー、やっぱり私たちより弱いんだ
だから戦うのが嫌なんだぁ」

… … …はぁ?

「カカシ先生の妹だからって言ってもホマレの姉ちゃんまで強いとは限らないってばよ」


サクラちゃんとナルト君が挑発するような小バカにした笑みを浮かべる

「カカシ先生の妹っていっても大したことないわね」

たたみかけるようにサクラちゃんが言った

… … …なるほどねぇ
安っぽい挑発だけど、ここまでモーレツにアピールされたらそれに答えないわけにはいかないでしょ


「ほほう、そこまでいうんだったら相手してあげようじゃないの」


隣にいるお兄ちゃんが笑うのが見えた


「ハンデでもつけます?」

挑戦的な笑みを浮かべてサクラちゃん、もといピンク娘が言った


「ハンデねぇ〜、そうだなぁ」


こんな小娘たちにこうまで言われるとは…舐められたもんだ

思わずほおが上がる


「おい、ホマレ」

お兄ちゃんが焦ったように小さな声で私に声をかける

大丈夫だよ
ちゃんと手加減するし

いくら私といったってこんな挑発には引っかからないよ


心配いらないよと軽く笑顔を向ける


せっかくの休みだし、わざわざ体を動かすなんてそんな面倒なこと自分からしないよ





ただ…、

舐められたまんまというのも後味が悪いからねぇ

すこぉしひねってあげるだけだよ


暇つぶしがてらにね





「戦い方はどうします?
1:1にしましょうか?」

「1:1:1でもいいってばよ」

準備体操か腕や足を回しながらピンク娘と黄色ボーイが言ってきた


「1:2で十分だよ

なんならお兄ちゃん、カカシ先生にも入ってもらっても構わないよ」

余裕をぶっこいている二人に笑いながらいう

1:1なんて、相手にならないどころか一瞬で終わっちゃうよ

「戦い方は簡単に、鈴奪いにしようか

君らも知ってるでしょ?
私がつけるこの鈴をとったら勝ち

簡単な勝負だよ」

お兄ちゃんから鈴を受け取る

「無理しないで下さいよ?私たち、多分思ってる以上に強いですよ?」

ピンクのおめでた娘が憎たらしげに笑う


「カカシ先生からも鈴をとった俺たちを舐めるなってばよ」

黄色のちかちかボーイも憎たらしげに笑っていた


ほぉ?お兄ちゃんから鈴をねぇ
少しは期待できそうかな


「1:2の私対君ら二人
このクナイを投げるからこれが地面に刺さった瞬間から勝負開始

んまぁ、私を殺す気でこないと多分取れないよ」


にやりと挑発的に笑ってクナイを上に投げた
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