空に知られぬ雪

□共通点
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「おいしー!
やっぱりヨシノさんのご飯は世界一ですよね!!」


「そうかい?まだあるからね
どんどん食べな」

「はい!」


久しぶりに家族4人が揃った食事
親父も母ちゃんも本当に嬉しそうだ

俺も、やっと向かいの席が埋まり安心しているから親父たちのことをいえねぇんだがよ


「…そういえば、親父

名前消せたのかよ」

俺はふと思い出して親父に尋ねた

甘味を食べた後石碑に刻まれているホマレの名前を消すとかなんとか言ってた気がする


「あぁ
もう消したぜ」

「え?いつの間に??」

親父の言葉に俺より先にホマレが反応した
つーかなんでお前がしらねぇんだよ
おめぇも一緒に消しに行ったはずだろ


「お前が風呂に入ってる時にな
カカシのところに寄って消してきた」


「あーなるほど
そうなんですか」

「?
カカシ君ってなんで石碑の名前を消すのにカカシ君のところに寄るんだい?」

母ちゃんが親父の話に首をかしげる

それもそうだ
俺もよく話が分からねぇ
名が刻まれてるのは石碑なのにカカシ先生のところにわざわざ行ったんだ?


「それがよ母ちゃん
石碑に刻まれてた名が思っていた以上に深くてよ
表面を削るんじゃあ間に合わねぇようだったからな
土遁でどうにかうまい方法があるかもしれねぇってカカシのところに行ったんだよ」


「だからってなんでカカシ先生なんだよ?」

土遁とカカシ先生の繋がりがよく結びつかねぇ

「ん?シカマル知らなかったけ?
ウチのお兄ちゃん
土遁使うんだよ」

カカシ先生が土遁?あんまりそのイメージはねぇんだけど


つーかお兄ちゃんって本当にカカシ先生と兄妹だったんだな
いくら聞いても全然実感がわかねぇぜ
そんなにいうほど似てるわけじゃねぇしよ


「写輪眼かい?」

俺がカカシ先生とホマレの関係を思い出していると母ちゃんが言った


「いや写輪眼じゃなくて…

割とよく使ってるはずですよ、多分

シカマルなんかはよく見てるんじゃないかな」

ホマレが俺に視線を向ける

「雷遁はよく見るけど土遁はそんなに見たことねぇよ」

カカシ先生のとことは任務がかぶることが多くてよく一緒にやってはいるがカカシ先生の土遁つーのはあんまり見たことがねぇ
カカシ先生つったら写輪眼か雷切使ってるような

「写輪眼での土遁なら分かるけどよ
そうじゃねぇんだろ?」

「写輪眼のときも土遁使ってるとは思うけど写輪眼使わなくても土遁は使えるのよ


んー、なんていえばいいんだろう

…!あっ!ほらパックン!

パックンとかみたことない?」

「パックン?そりゃ知ってるけど」

パックンったらカカシ先生の口寄せ動物だろ?
パックンと今なんの関係があるんだ?


「パックン呼ぶ術あるでしょ?」

「あぁ口寄せだろ」

「そう、あの口寄せ
あれ土遁忍術の1つよ」

「マジかよ!」

「まっ、あんまり土遁っぽくないし知らなくても無理ないとは思うけどね」

なんでもないように笑いながらまたおかずに箸を伸ばすホマレ

口寄せって土遁なのかよ
知らなかったぜ

「シカマル、あんたアカデミーで習ったんじゃないのかい?」

母ちゃんに言われる

覚えてねぇよ、んなもん
やったとしてもとっくの昔のことだしよ

「木の葉一の技師と言われるくらいだからな、カカシは」

茶をすすりながら親父がいう

「まー、あの人
雷遁とか土遁だけじゃなくて陰陽含めて五行全部使えるみたいですからね
写輪眼もあるし」

もぐもぐと口を動かしながらいうホマレ
話す時くらい箸のばすなよ、バカ

「カカシ君の異名は1000の術をコピーした、コピー忍者のカカシだったわよね確か」

「はい確かそんなんだった気がします

にしてもズルいですよね
五行全部に写輪眼て

そんなのもうチートですよ」


文句を言う間も箸は止めない
昔と全然変わんねぇな
食い意地張りすぎだろ

「アハハ!
そんなのいうのはあんただけだよ
バカだねあんたは相変わらず」


そんな母ちゃんの言葉にひどーいといいながら笑い合う母ちゃんとホマレ


うるせぇなと思いながらも、母ちゃんとホマレが話してるのを見てやっと日常が帰ってきたんだなと実感する俺がいた

めんどくせぇけどよ


…めんどくせぇけどこんなバカでアホなやつでも俺にとってはたった一人の姉みたいなやつで大切な家族なんだよな

はぁ、ほんとめんどくせぇな



そう思いつつも目の前の見慣れていた光景にある意味安心しながら箸を進めた
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