中編

□約束のネックレス
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放課後、私は先生に頼まれて

体育倉庫から体育で使う

道具を持ってきてほしいと

言われて来たけど、

あそこの倉庫暗くて

嫌なんだよなぁ…


体育倉庫に行くとほんの少し

入り口が開いていた

そこから中を覗くと

薄暗くてあまり見えなかったが

2人のシルエットが見えた


「んっ…はぁ…じゅり…」


「はぁ…ちゅっ…」


もしかしてじゃないけど

ヤバい所に来てしまった…

私は一歩後ろに下がり

逃げ様とした


しかし偶然にも滑って

転けてしまった


ヤバい…急いで逃げなきゃ

逃げ様とした瞬間、

中から1人の生徒が出てきた

背は私より少し高く

凛々しい顔をしていた

その人はしゃがみこんで

私と同じ目線で話しかけてきた


「ねぇ、今中覗いたよね?」


「の、覗いてないです」


私は怖くて嘘をついてしまった


「正直に言えば何もしないからさ…

もう一回聞くよ?

覗いた?」


「覗きました…」


「よく言えました。名前は?」


「ま、松井玲奈です」


「松井玲奈…」


一瞬、眉間にしわを寄せ

悩んでいた様に思えた


「ふーん、何年生?」


「1年生です」


「このネックレス…」


「えっと、そ、それは

大切な物なんです」


そっかそっかと言いながら

私を立ち上がらせてくれて

汚れた所をはらってくれた


耳元で

「ここでの事…

誰にも言っちゃダメだよ」

って囁かれた

囁かれた後にその人の顔を見ると

ニコッとしていた

私は本当に怖くなり

走って逃げ出した

先生にはわからなかったと

嘘をついて私は教室へ戻り

鞄を持って、逃げる様に走って帰った
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