中編
□シトラスの香りの彼女
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毎朝、あたしは電車に乗って
学校に登校する
乗ってふた駅で降りるから
いつも椅子には座らないで
入り口付近に立っている
あたしの住んでる所は田舎だから
2車両しか無いわけで、
乗ってる人もチラホラしか居ない
次の駅になると必ず降りる
綺麗なお姉さんがいる
お姉さんが降りる時
微かに香る柑橘系の匂い
あたしは匂いが嫌いだけど
その匂いだけは何故か
嫌いになれなかった
寧ろ、その匂いが好きなんだ
あたしもそのお姉さんと
同じ匂いになりたくて、
ピンクグレープフルーツの
フレグランスを買った
買った次の日から
そのフレグランスをつけて
電車に乗った
乗ってから次の駅になった
お姉さんが降りる駅だ
お姉さんが降りる時に
あたしの方を向いて
ニコッとしてくれた
あたしは驚いて身体中が熱くなった