中編

□彼女はprofessor
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高校を卒業し、地元を離れ、
東京の一流大学へと進学をした。

大学生活は楽しいこともあれば、
辛いことや苦しいこともあった。

でも、大好きなあの人の講義は、
何よりの楽しみだ。

1番前の席に座り、彼女を眺めてるんだ。
眺めてるだけじゃなくて、
ちゃんと講義受けてるからね!!


「今日はこれで終わります

じゃあ、また来週ね」


大好きなあの人は黒板に書かれた、
自分の文字を消し始めていた。

講義を受けていた生徒は次々に
教室を出て行った。

後ろを振り返れば、既に教室には、
大好きなあの人とあたししか
残っては居なかった。


「れーなちゃん」


大好きなあの人を
『ちゃん』付けで呼んだら、
驚く事もなく振り返っていた。


「はぁ…さっさと行かないと

次の講義始まるわよ?」


「今日はこれでもう終わりなんだ

ところであたしの名前知ってる?」


「知ってるわよ

同じ松井だから、

なんとなく覚えちゃったわ」


「なんとなくか…」


「後、いっつも1番前に座ってるから

覚えたの」


「なんで1番前に座ってると思う?」


「目が悪いから?」


「目が悪いのは当たりだけど、

もう1つ理由があるんだ」


「あっそ…

教室早く鍵閉めたいから出てって」


「うー…玲奈ちゃんって意外に

冷たいんだね…

もっと優しいのかと思った…」


「はい、はい、よく言われます」


「この後さ、良かったらお茶しない?」


「あのねぇ、目上の人間には

敬語を使いなさい

私は教授、貴女は生徒なのよ

敬語を使うのは当たり前!わかった?」


「はーい!!教授〜

で、お茶する気になった?」


「…早く出なさい」


あたしは渋々、教室を出て行った
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