松井家の日常

□松井家の日常(2)
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ある日、玲奈ちゃんに育児を休んでもらいたくて、2人を1人でみることにした。


「ほんとに大丈夫?」


「大丈夫、大丈夫!!

いつも玲奈ちゃんが1人で

お世話してるから

たまにはあたしが1人でみるよ!!」


「…心配だなぁ」


「大丈夫だからぁ」


「珠音はいいとして…

玲音はきっとぐずりっぱなしだよ?」


「玲音も玲奈ちゃんが居なくても、

ちゃんとお利口に待てるよ」


「そうかな…」


「いいから、早く行く!!」


「うん…」


玲奈ちゃんが靴を履いてれば、玲音は自分も行くかと思って走ってきてしまった。


「ママ!!れのもー!!」


「今日はね、れの連れていけないの…

パパがいるから大丈夫だからね」


「…」


玲音は自分では履けない靴を履こうと必死だ。


「玲奈ちゃん

今がチャンス!!」


「…うん

早目に戻って来るからね…

いってきます」


ドアが閉まれば、玲音は玲奈ちゃんに置いていかれたショックで泣き叫んでいた。


「玲音、今日はパパと遊ぼうね」


抱っこすればイヤイヤマックスでバタバタしていた。リビングに連れて行き、子供用の椅子に座らせ、珠音も座らせた。


「そうだ!!

今日は3人で出かけようか

おもちゃ買おう!!」


常日頃、玲奈ちゃんからは何でもない日におもちゃは買っちゃダメと言われているが今日ぐらい、いいだろう。


「…おぅ…ちゃ?」


食いついた玲音。


「そうおもちゃ

おもちゃ買ってあげるから」


玲音は何とか泣き止んでくれた。2人を着替えさせ、2人をベビーカーに乗せて目的地に向かった。


「あっ、珠理奈さん!!」


「おっ、ちゅり

久しぶり」


ちゅりというのは、あたしと玲奈ちゃんの高校の時の後輩兼友達だ。


「珠理奈さんお久しぶりです

こんなに大きくなったんですね

おっ、珠音は相変わらずパパに似て、

イケメンですなぁ

玲音は玲奈さんに似て可愛い〜」


「ちゅり、今からどっか行く感じ?

このチビ達つれて買い物するんだけど、

よかったら一緒に買い物しない?」


「いいですよ」


ショッピングモールに着き、ベビーカーから2人を降ろした。

2人はちゅりと手を繋いで上機嫌だ。おもちゃ売り場に着くなり、興奮してる2人。あたしはベビーカーを押しながら、2人が危なくないか見張っていた。

おもちゃを買い、4人で食事をとることにした。ちゅりの隣に玲音、あたしの隣に珠音を座らせた。お子様のメニューを頼み、2人に与えていく。玲音はちゅりに甘えて口を大きく開けている。


「玲音、自分で食べなさい」


「いいですよ

私があげますね

はい、玲音、あーん」


「あーん!!」


皆んな食べ終わりお店を出たら、玲音はちゅりに抱っこ、抱っことせがんでいた。


「ごめんね…ちゅり」


「いえ、大丈夫です」


そのまま玲音は寝てしまった。


「ちゅり、ありがとね」


「家まで送ってきます」


「ありがとう

助かるよ」


家に帰れば、玲奈ちゃんはもう家に帰っていた。


「おかえりなさい

ちゅっちゃん!久しぶり〜」


「玲奈さん!!

お久しぶりです」


玲奈ちゃんに今日の事を話した。


「そうなんだ…

ちゅっちゃん、ありがとう」


「いえ、私は楽しかったですよ」


「そうだ

ケーキ買ってきたの

みんなで食べよう?」


玲音は寝ていたからベビーベッドに寝かせた。珠音は玲奈ちゃんにベタッとくっついていた。ケーキを食べながら、会話が弾む。


「双子ちゃん達ほんとに

大きくなりましたよね」


「玲音は私にそっくりだけど、

性格は珠理奈に似てるからおてんばで

超がつくほど甘えん坊なの」


「ちょっ、玲奈ちゃん

あたし甘えん坊じゃないよ」


「あっ、確かに」


「珠音はね、珠理奈に似てかっこいいの

でも性格は私に似てるから静かなの」


「珠理奈さん似で静かとか

なんか不思議だなぁ〜」


「どういう意味だよ!!」


なんて久しぶりの再会に会話が弾んだ。


「そろそろ帰りますね」


「玲音がちゅりの事凄い

気に入ってたから、また来てね」


「はい、来ます」


「ちゅっちゃん、今日はありがとね」


「では、おじゃましました」


ちゅりが帰った瞬間、玲奈ちゃんに、ちゅっとキスをした。


「んっ…珠理奈」


「寂しかった〜」


玲奈ちゃんを抱き寄せ、もっかいキスをしようとしたら、玲奈ちゃんに抱っこされている珠音と目が合った。


「パパはね、今からママと

良いことするの

わかる?」


「…」


「ちょっと…珠理奈」


珠音は興味なさそうな顔をしている。


「興味ないって顔してる」


「パパ…そういう事、言わないの」


「だって、そういう顔してるんだもん」


「こんなに可愛い顔してるじゃん…

誰に似たのかなぁ〜」


玲奈ちゃんは珠音を連れて、さっさとリビングに行ってしまった。


「玲奈ちゃん待ってよ〜」


リビングのソファの上では珠音が玲奈ちゃんにすごく甘えていた。母親には勝てないなと改めて実感をした。はぁ…パパ辛い。

夕飯は軽めにしてお風呂に入り、寝室に向かった。チビ達は疲れたのか既に夢の中。あたしもベッドに寝転んだ。ゴロンとしてたら、玲奈ちゃんがやってきた。


「珠理奈、今日はありがとう」


頬に軽くキスをしてくれた。


「久々にしちゃいますか?」


「しません…」


「ね、ちょっとだけ」


「ちょっとだけだからね…」


玲奈ちゃんをその気にさせ、その日の夜はたっぷりと玲奈ちゃんと愛を育んでいった。

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