松井家の日常
□松井家の日常(過去1)
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あたしと玲奈ちゃんが出会ったのは高校2年の時だった。あたしはその時モテ期の真っ盛りだった。色んな子に告白され、付き合い、振ったり振られたりの繰り返しをしていた。毎日が楽しくて、よく授業をサボっていた。
ある日、サボるために保健室へとやってきた。
「おじゃましまーす」
「またサボり?」
「サボりじゃないよ〜
まりちゃんとお話ししたいから
来ただけ〜」
「あんたねぇ…」
まりちゃんと言うのは保健の先生。よく来るから、仲良くなってしまった。
「今日は何の話する?」
「今から外出しないといけないから、
鍵だけよろしく」
あたしはベッドに寝転がり、眠りについていた。しばらくすると…。
「…先生いらっしゃいませんか?」
か細い声が聞こえた。あたしは起き上がり、来た人に伝えた。
「まりちゃんなら外出していないよ」
「…どうしよ」
その子は綺麗で可愛くてあたし好みだった。
「どうしたの?」
「気分悪くなっちゃって…」
「とりあえずベッドで休みなよ
あたし薬探すから!!」
その子をベッドに連れて行き、休ませてあげた。
「ありがとうございます…」
「ううん、どうってことないよ」
胸元の名前を見れば、松井玲奈と書かれていた。同じ色のリボンをしているから、同学年か。クラスが多いから知らないわけだ。
「頭痛薬ならあるけど飲む?」
「はい」
あたしは水と薬を渡した。それから玲奈ちゃんって子は眠ってしまった。あたしは近くの椅子に座り、玲奈ちゃんを眺めていた。眺めていたのも飽きたから、あたしも隣のベッドで眠ってしまっていた。
はっと起きれば、下校の時刻だった。あたしは玲奈ちゃんを起こした。
「玲奈ちゃん、帰る時間だけど帰れる?」
「うん、ありがとうございました」
「敬語じゃなくていいよ
あたし達同じ2年生でしょ?」
「そうなんだ
私、松井玲奈って言います
あなたは?」
「あたし松井珠理奈」
「同じ松井なんだ」
「なんか運命感じない?
同じ松井だし」
「そうかな?」
「これも何かの縁だからさ、
仲良くしようよ!!
珠理奈って呼んでよ玲奈ちゃん!!」
「じゅ、珠理奈…」
「玲奈ちゃんって可愛いね
あたし玲奈ちゃんの事
好きになった!!」
「//」
「あっ、顔真っ赤
玲奈ちゃん、おもしろーい」
「面白くなんかないし…」
「連絡先交換しようよ」
「うん、いいよ」
あの時は嬉しかった。なんか他の子とは違う感じがしたんだ。