松井家の日常
□松井家の日常(5)
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「パパ、今日ね夕方から
お祭あるから皆んなで行かない?」
「おっ、いいね」
「ね、この甚平可愛くない?」
「これチビ達の?」
「うん、お母さんがね
買ってくれたの」
「可愛い」
「パパのもあるよ」
「ほんと?」
「はい、パパの」
「ありがとう」
夕方、玲奈ちゃんはチビ達に甚平を着せて、髪の毛も可愛く結んでいた。それから玲奈ちゃんも着替えていた。
「どうかな?」
玲奈ちゃんは大人っぽい浴衣に、髪をアップさせて色っぽかった。
「凄く似合ってるよ!!」
「ありがとう、珠理奈」
「そうだ!4人で写真撮ろっか」
自撮り棒で写真を撮ったりした。
祭り会場は家から少し歩いた所だ。あたしと玲奈ちゃんは小ちゃな手を握り、ゆっくりと歩いて行った。
祭り会場は凄く賑わっていた。チビ達もキョロキョロとしている。
「ママ!」
玲音が指をさしたのはヨーヨーだった。
「あれやろっか」
中々難しく上手く取れなかったが、1つはくれるみたいだ。
「次何やろっか」
「あれとかどう?」
あたしはボールすくいを指差した。こちらも中々難しくて上手く取れない。けど、ここはパパの見せ所…。何とか数個取れて、チビ達は大はしゃぎ。
「パパ、凄〜い」
「ま、まぁね!!」
それから屋台の食べ物を買い、ベンチに座って食べることにした。小さくちぎってチビ達に先に与えた。それからあたし達が食べる。
また屋台を見てたら、急に立ち止まる珠音。
「どした?珠音?」
「…」
視線の先にはキャラクターの袋に入った綿菓子。
「あんなに食べれないでしょ?」
「…」
「買わないよ」
「…」
一歩も動かない珠音。1つじゃ喧嘩の元…。しょうがない。
「どれがいいの?」
「…」
無言で指をさしていた。
「玲音は?」
「…」
こちらも無言で指をさしていた。結局、2人は同じ絵柄の袋の綿菓子を買った。そろそろおねむかと思ったらまさにその通り。玲奈ちゃんに買った物を持ってもらい、あたしは2人を抱きながら帰ることにした。
「パパ、重くない?」
「なんとか大丈夫」
家に着き、4人でお風呂に入った。おねむな、おチビ達を先に寝かし、あたしはビールを飲み始めた。
「ん〜、美味い!!
玲奈ちゃんもどう?」
「私はいいよ…」
少し飲んだだけで、酔ってしまった。
「玲奈たん…んぅ、ちゅー」
「お酒臭いからやめて…」
「…泣いちゃう」
「…私先に寝るからね」
玲奈ちゃんはそそくさに寝室へと行ってしまった。なんだか悲しくなってきて、やけくそにビールを飲み始めた。
「…ったく、なんだよ
旦那様に付き合っても
いいんじゃないの?」
「今なんてあたしの事よりも
チビ、チビ、チビだし〜
そりゃあ、可愛いよ
可愛いけど、あたしも構ってほしいわけ」
「玲奈ちゃんのばかぁ〜
お尻はあるのにおっぱいは全然ないし、
でもなんであんなにエロい身体してんの?
ん?」
「玲奈ちゃんのちっぱい!!」
ガラッ…
「珠理奈…」
「…なんだよ〜」
「…」
「何?おっぱいでも大きくなったの?」
「今日はここで寝て!!」
玲奈ちゃんは怒りながら、あたしにタオルケットを投げつけてきた。
あたしは酔っていて怒ってる理由がわかんなくて、その夜はソファの上で寝てしまった。