松井家の日常
□松井家の日常(嫁side1)
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珠理奈と出会って、付き合って、結婚して、出産してあっという間に時が過ぎていった。
私の1日は娘の泣き声から始まる。
んぅ…お腹すいたのかな。眠たい身体を起こし、ベビーベッドに近づいた。手足をバタバタとしている娘達。とりあえず玲音から授乳してと…目に涙をいっぱい溜めて、お乳を吸っていた。薄い茶色の瞳が私にそっくりだ。
「玲音、いっぱい飲んだかな?」
口元を清潔なガーゼで拭いてあげて、背中を軽くトントンと叩いて、げっぷをさせてあげる。
「上手くでたね」
入れ替えに今度は珠音に授乳をする。
「珠音、ほらっ、飲んで?」
珠音はあまり飲んでくれないのが悩みだ。口に含んでも直ぐに離してしまう。また口に含ませても、ダメだ…。
とりあえず、トントンしてげっぷさせなきゃ。
「けふっ」
はぁ、よかった。上手くできた。
「珠音、上手くできたね」
ベビーベッドに寝かせれば、2人はまた夢の中。
今度は朝ごはんの支度をしなきゃ。急いで着替えを済ます。
台所に立って朝ごはんの支度をする。朝ごはんが出来たら、珠理奈を起こさなきゃ。
珠理奈は今は私達とは別室で寝ている。
「珠理奈、朝だよ
起きて」
「んぅ…」
「珠理奈」
「玲奈ちゃん…おはよ」
「おはよう」
「朝のちゅーして」
朝はキスをしないと絶対に起きない。
「ちゅっ…さっ、起きて」
「へへっ」
珠理奈にご飯を食べさせ、その間に洗濯物にスイッチを入れ、お風呂の栓を抜く。
珠理奈が出かけるときは玄関まで必ず送り出す。
「気を付けて
いってらっしゃい」
「行ってきます」
今度は珠理奈が私にキスをしてくれる。珠理奈が出かけたら、やっと朝食の時間だ。軽くご飯を食べ、片付ける。
お風呂掃除をして、洗濯物を干す。
寝室に戻れば、ぐずってる娘達。今度はオムツかな?オムツを替え、スッキリした顔をしている。
また授乳してとやる事はいっぱいだ。
仮眠できる時はなるべく仮眠をとるようにしている。仮眠してても、休まる事はあまりない。はぁ…世の中のお母さんは皆んなそうなんだよね。
午後になり、2人を車のチャイルドシートに乗せ、お買い物に出かけた。お買い物っていっても食材とこの子達のオムツとかだ。スーパーでは前後に娘達を抱っことおんぶをしてカートを押していく。なるべく買い出しに行かないように、かなりの量を買う。ストックしとけば、買いに行かなくてもすむしね。
夕方になると珠理奈が急いで帰ってきて、娘達のお世話をしてくれる。少しの間だか、とても助かっている。1人では2人をお風呂にも入れてあげられないから。
お風呂は4人で一緒に入る。マットに娘達を寝かし、急いで大人が洗い、今度は1人、1人ずつ洗っていく。ゆっくりと抱きながら、湯船に浸かる。お風呂は意外と広いから、大人2人は余裕だ。
お風呂から出て、しっかりと拭いてあげる。オムツを履かせ、パジャマを着させる。
「玲奈ちゃん、珠音、おっぱい欲しいって」
「ごめん、ちょっと待ってて」
1人を寝かし、1人にお乳を与える。
「珠音…全然飲んでくれないの」
「珠音、珠音が飲まないとパパ飲むよ?」
それが通じたのかごくごくと飲み始めてくれた。
「珠理奈のおかげで飲んでる」
「珠音、ほんとあたしに似てるなぁ」
赤ちゃんながらキリッとした顔立ちをしている。
「パパに似ちゃダメだよ」
「どういう意味?」
「なんでもないよ」
「玲奈ちゃん、玲音もぐずってる〜」
「抱っこしてあげて」
珠理奈が抱っこしてあげれば、泣き止んでいた。
「玲音、いい子でちゅね〜」
お目目をぱちぱちと開け、不思議そうに珠理奈を見ている。
「玲音、パパだよ〜
イケメンのパパ〜」
「…」
「自意識過剰か!!」
「だってパパ学生時代モテモテだったし」
「思春期か!!」
「学生時代はパパがモテモテで
ママはね、めっちゃ怒ってね
最終的にはお触り禁止令が出たよね
懐かしい…あの時は地獄のようだったよ」
「あ、あれは珠理奈が…」
「はい、はい
玲奈ちゃんと子供達以外は
興味ないから安心して」
「ありがとう、珠理奈」
「んっ…ちゅっ
早く一緒に寝たいなぁ
一緒に寝てイチャコラしたいなぁ」
「今日から寝る?」
「えっ?いいの?」
「寝不足でも知らないよ」
「じゃあ、金、土だけ一緒に寝る〜」
こういうのが幸せって言うんだよね。