松井家の日常
□松井家の日常(未来?2)
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「珠理奈、今日子供達よろしくね
私は出掛けるからね
夕方には帰ってくるから」
「ふぁ〜あ」
寝みぃ…。玲奈ちゃん出掛けるのか。
しばらくすれば、赤ちゃんの泣き声。しかも生意気な赤ん坊の泣き声…。また夢かよ。あたしは無視して眠りについた。
「パパ…じゅっくん
泣いてるよ」
誰かに身体を揺すられた。
「んぅ…」
「パパ…」
あぁ、こないだの…。あたしの可愛い娘の星奈ちゃんじゃないか。
「星奈、良い子、良い子」
あたしは頭を撫でてあげた。恥ずかしがってる所が玲奈ちゃんに似て可愛いなぁ。
「パパ…じゅっくんオムツかも」
なんで生意気な赤ん坊のオムツ変えなきゃなんないんだ。
「わかったよ…」
ベッドの上で伸びをして起き上がった。
泣き声の方に向かえば、ギャンギャンと泣くうるさい赤ん坊。
「どした?オムツ?」
新しいオムツに変えても、まだギャン泣き。抱っこしてあやしても泣きやまない。
「泣くなよ…」
「パパ、ミルクじゃない?」
「あぁ、そうか」
「星奈、出来るよ!!
ママに何回も教えてもらったから」
「じゃあ、お願いしようかな」
娘はこんなに可愛いのに、このクソガキときたら、可愛くもない。ほんとにあたしの子か?いやっ、待てよ。もしかして…玲奈ちゃんに限ってそんな事あるわけないよね。
「パパ、出来たよ!!」
「おっ、ありがとう」
哺乳瓶の先を咥えさせれば、勢いよく飲んでいる。お腹空いてたのか…。しばらく赤ん坊の世話をしてたら疲れが半端ない。よく2人みてたよなぁ。てか、現にみてるんだけどね。こっちは夢だからなぁ。
「星奈、今日はパパとお出かけしようか」
「行きたい!!」
「準備して行こうか」
クソガキの背中を軽く叩きげっぷをさせ、口元を綺麗に拭いてあげた。このままの格好じゃ、ダメだよなぁ。可愛い服とかあるのかな?あたしはクローゼットの中を探した。おっ、いっぱいある。これでいいか。クソガキの服を着替えさせ、抱っこ紐?みたいなのを使って抱っこした。
星奈と手を繋ぎ、歩いていく。
「星奈、いくつになったんだっけ?
パパ、ど忘れしちゃった」
「6歳だよ」
「そうだった
星奈は6歳だったね」
てことは…双子とは10歳違いか?16、6、0歳?それにしてもあたしと玲奈ちゃん…まだまだお盛んなのねぇ〜。
ショッピングモールに着き、子供服売り場をまわる。
「おっ、これなんかどう?」
「パパ、それ派手だよー」
「星奈はどんなのがいいの?」
「落ち着いたやつ」
あらら、また玲奈ちゃんに似てる。
何着か買い、お店を出た。次に向かったのは…。
「パパ、あそこ行きたい」
星奈が指差したのはゲーセンだ。おっ、あたしの腕の見せ所じゃん。
クレーンゲームで一緒にお菓子を取ってあげたら、喜んでいた。
「お腹空いたね
星奈は何食べたい?」
「ハンバーガー食べたい!!」
フードコートに行き、子供用のハンバーガーセットとあたしの分のセットを頼んだ。
「じゃあ、いただきます」
「いただきます」
あたしは食べずにこのチビにミルクをあげないといけない。水筒にお湯と水を持ってきた。哺乳瓶に固形のミルクの素を入れ、お湯を注いで溶かし、水で温度を調整した。このぐらいでいいか。
「ほらっ、じゅっくんミルクだぞ」
待ってましたかのように手を伸ばしている。少し飲ましては休ませてを繰り返していった。飲み終わり、やっとあたしも食べれる。久々のファーストフードうまいなぁ。
「星奈、美味しい?」
「パパと一緒だから、
とっても美味しい」
「星奈〜」
あたしは星奈に頬をすり寄せた。
「パパ、苦しい…」
「おっと…ごめん
パパ嬉しくて」
食べ終わり、また歩いて帰る。
「パパ、重くない?
星奈、持つよ?」
「大丈夫だよ」
「だってじゅっくんも抱っこしてるし…」
「じゃあ、パパの手を持って貰おうか」
「うん!!」
ほんとに素直で良い子だぁ。
家に着き、重たかったクソガキを降ろす。肩こったわ…。ベビーベッドに寝かせ、服を脱がせ、オムツも外した。全身を拭けるウエットティッシュで身体全体を拭いていく。今日は静かにしてるなこいつ。新しいオムツを履かせ、薄手の生地の服を着させたら、おネムなのかスヤスヤと寝てしまった。
「パパ、一緒にお昼寝しよ?」
「じゃあ、パパ達のお部屋で寝よっか」
ベッドに2人で寝転んだ。
「パパ…ぎゅーして」
「よしきた」
ぎゅーっとしてあげれば、嬉しそうにしている。
夕方になり、玲奈ちゃんが帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり、玲奈ちゃん」
「じゅっくん、どうだった?」
「ん〜、相変わらず生意気な感じ〜」
「パパ、そういうこと言わないの…」
「だって可愛くないんだもん」
「可愛いよ」
「んぅ…ママ?」
「星奈、ただいま」
「ママ、抱っこして」
玲奈ちゃんはベッドサイドに座り、星奈を抱っこしていた。
「ママ…」
「なぁに?」
「ママ、大好き」
「ママも星奈の事、大好きだよ」
「へへっ、やったぁー」
「パパも〜」
あたしは2人に抱きついた。
「ちょっと、パパ…」
「パパ、苦しい…」
「たまにはスキンシップも必要でしょ」
はぁ…家族って幸せ〜。なんて目を閉じれば、玲奈ちゃんの苦しそうな声が聴こえた。
「珠理奈…珠理奈ったら!!」
「ふぇ…」
「苦しいよ!!」
「あぁ、ごめん
あれっ?星奈は?」
「星奈?」
「可愛いあたしの娘」
「パパの可愛い娘達はまだ夢の中よ?」
また夢だったっけ。
「夢の中じゃ、4人も子供居るんだよ」
「ふ〜ん」
「3人目がめちゃくちゃ可愛くて、
4番目がクソガキなんだよ
しかも男」
「男の子もいいな」
「玲奈ちゃん、3人目欲しいの?」
「どうかな〜
この子達がもうちょっと
成長してからかな」
「夢ではね、16、6、0歳だったよ」
「そんなに体力持たないよ…」
「あたし達何年たってもお盛んなんだね
ひひっ」
「それは珠理奈でしょ…」
「きっと玲奈ちゃんも
その気になってるよ〜」
3人目はいつの日やら?