リクエスト

□暑さには敵わない
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『‥‥ねぇ』
「‥‥」
『典明くんよ‥‥』
「‥‥なんだい?」
『どいてくれると嬉しいんだけど』
「‥‥やだ」
『のりあきぃィィィ!!!』

ゴールデンウィークに入り、私は今典明こと花京院の家に遊びに来ている。お互いゴールデンウィークの予定がなかったので、ゴールデンウィークの間、私は典明の家に泊まることになった。典明はアパートで一人暮らしをしているので、私は特に緊張もなく、むしろ自分の家のように寛いでいる。
遊ぶのもありなのだが、如何せん長期休暇ということで課題がたくさんだされているので、それをやっていかなくてはならない。だから、午前中は課題をして、午後は自由ということにしている。
そして今はお互い自由時間なのだが、私は今日中に終わらせる予定だった課題が午前中に終わらなかったので午後も少し勉強しようと、課題に取り組んでいるのだ。だというのに、典明は後ろから私の腰のところで腕を交差し、抱きついている。最近暑くて敵わないというのに、余計に暑い。そして冒頭に戻る、というわけだ。

「なんだい、アイス買ってきてあげたじゃあないか。それを食べれば涼しいだろう?」
『アイスは課題終わってからのお楽しみにとっておくの!』
「なら課題終わりなよ。僕をかまえ」
普段、典明はこういうことは言わないのだが、暑さでどうでもよくなったのか知らないが無駄に素直だ。無駄に。
『あのねぇ、私だって予定をちゃんとたててるの!明日に持ち込みたくないから今やってるの。だからもう少し待っててよ』
「やだ。今すぐかまってくれないと拗ねるぞ」
なんだよコイツ可愛いなァ!!だからと言って相手にはしないけど。拗ねたらどうせゲームでもするんだろう。それで我慢してほしい。
と思ったのだが、腰のところにある典明の手がなんだかイヤらしい動きをしている。
『典明、この手はなに?』
「僕の手だよ」
『それぐらいわかるわッ』
とツッコミをしている内に典明の手が私の胸を覆うかたちになった。
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