リクエスト

□幸せな時間
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『405号室…4…0…5…』

日本に用事ができたらしく、ポルナレフが故郷であるフランスから日本に来たので私は会うために本人が泊まっているというホテルへやって来た。
用事というのはスタンド関連のことだろう。1ヶ月は日本にいるらしいく、何日かオフの日を作ってくれた。
本当ならば、ポルナレフと一緒に住んだり、ずっと行動を共にしていきたいのだが、残念ながら私は承太郎達と同じく学生なので留年(エジプトへの旅で50日間欠席した)は免れたものの、まだ1年は学校に通う必要がある。ちなみに承太郎はサボりなどのこともあり授業日数が足りず3人仲良く高校3年生を送ることになった。
なぜこれほどポルナレフのことばかりを言うのか。それは、私にとっての大切な、そして大好きな彼氏だからだ。エジプトへの旅の途中で私とポルナレフは結ばれ、周りも喜んでくれた。
ポルナレフはポルナレフでずっと日本に留まるわけにはいかず、普段は彼の故郷であるフランスにいる。
遠距離は寂しくないといえば嘘になるけど、毎日電話してくれるし、たくさん愛を囁いてくれる。フランス人だからかはわからないけど、ポルナレフの囁く愛が日本人である私には少し恥ずかしいのだが、愛されてるということがわかりとても嬉しい。

『405…っと。あ、ここだ』

ようやく彼が泊まっている部屋の前に到着した。ドアの横にあるベルを押しポルナレフのお出迎えを待つ。
少し待つとガチャリとドアが開いた。

「おぅ、名前よく来」
『ポルナレフーーーッ!!』
「ぉゔッ」

久しぶりにみる彼の姿を見て嬉しく思い、タックルをするように思いっきり突っ込み抱きしめた。背の高さ、体型の違いもありポルナレフは私を難なく受け止めた。

「思いっきり来てくれんのは嬉しいけどよォ、鳩尾(みぞおち)入ったぞ」
『あはは、ごめんごめん』
「ったく…まぁここで話すのはなんだし、中入りな。名前の話、聞かせてくれよ」
『うん!ポルナレフの話も聞きたいなぁ』
「俺ェ?俺は別に話すのはいいが、聞いてて楽しいもんはねーぜ?」
『楽しい楽しくないじゃなくて、ポルナレフ話を聞きたいの。どんなことでもいいの。ポルナレフの思い出を一緒に共有したいの…』
「名前…ッ、可愛い奴め!』
「ぅわっ」

ぐしゃぐしゃとポルナレフの大きな手で頭を撫でられた。せっかく整えて来たのに…なんて、撫でられたことの方が万倍嬉しいんだけどね。
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