リクエスト

□話してごらん
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『…』
「落ち着いたかい?」
どうやら落ち着いたらしく名前はコクリと頷いた。
「何があったのか…話せるかい?」
『……のりあき…あのね…上手くできなかったの…』
「うん」
彼女の学部については詳しくはよくわからないが、化学系で何かしらの実験をよく行うとは聞いたことがある。きっとそのことだろう。
『…いつもはね、上手くできるのにね…今日は何回も失敗しちゃって…同じ学部の友達は励ましてくれたんだけどね…先生に怒られちゃって……いつもはできるのにって…悔しくて…でも調子悪くて…情けなくて…ふえぇっ』
「うん、名前は頑張ってるよ。僕にはちゃんとわかる。誰だって失敗くらいあるさ。でも、ここで諦めないで、今回の失敗をもとにこれから頑張っていけばいい。名前はたくさん努力しているんだから、ちゃんと成果はでるよ」
『…でも…』
「また失敗するのは怖いよな。でも、恐れていてはいけない。一歩踏み出す勇気が大事なんだ。それでも駄目だったら、僕がいつでも励ましてあげるから、ね」
そして僕は名前を抱きしめてキスをした。突然のことに名前は驚いた顔をしていたが、すぐ受け入れた。それから僕は名前の口の中に舌を滑り込ませ、軽いキスから深いキスをしていく。
「んっ、ふぅっ、んむっ」
『んんっ、んぅっ、んっ』
酒に酔っていても羞恥心はあるらしく、舌を絡めようとしても逃げようとするが、それを許さないとでもいうように名前の頭の後ろに手を添え、舌をさらにいれて絡みとる。
『んんんっ!んぅっ、ぅむっ』
どちらのかもわからない唾液が両者の口から垂れてくる。すごく艶かしい光景だ。
そろそろ苦しくなってきたのか名前が僕の胸を叩いたので、まだ名残惜しいとも思ったが口を離した。お互いの舌から唾液の糸が繋がり、プツリと切れる。
口からは唾液を垂らし、肩で呼吸をしている姿に思わず見惚れてしまう。自分も少し酔っているのだろうか。名前にもっと触れていたい。そう思って僕は名前を抱きしめ、名前の髪に顔を埋めた。シャンプーの香りだろうか。彼女の匂いと混ざっていい匂いがする。
『のりあき、くすぐったいよぉ…』
と、先ほどの悲しんでいた様子はなくなり、顔を赤くしていた。
「もうおさまったかい?」
『うん、のりあきのおかげで元気でた。ありがと〜』
まだ酔いが残ってるみたいでふにゃりと名前は笑った。

いつでも僕は名前のそばにいるよ。
だから、いつでも僕を頼ってくれ。そしたら、いつでも慰めてあげよう。
可愛い僕の名前のために。

⇒あとがき
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