リクエスト

□逃避経路遮断
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「名前ちゃんいる?今度の予定を他の友達とも一緒に話し合いたいんだけど」
『…!』

私の仲のいい、そして花京院に脅された友達だ。呼びに来たくれたことは嬉しいが、今ではタイミングが悪い。ものすごく。

「…名前を僕からとるの?渡さないよ」
『花京院!!』
「安心して、僕が守るから」
「…か、花京院君、名前ちゃんはいつも花京院君のことで悩んでいたんだよ?好きなら好きなりに考えてあげてよ…」
「…そっか。名前はいつも僕を考えてくれてたんだね。ならこの空間に僕たち2人以外いらないな…」
『逃げて!!危ない!!』
「名前ちゃん?」

こんなときに『スタンド』使いじゃなくとも『スタンド』が見えていたら…といつも思う。今回は特にだ。
花京院の『スタンド』が現れた。光ったメロンのような『スタンド』だ。どのような攻撃をするかわからない。私では完全に止められないかもしれないが、とりあえず花京院を後ろから動きを封じ込める。周りからみると抱きしめてるようにも見えてしまうがそんなことを考えてる暇はない。

『やめて花京院!これ以上友達を傷つけないで!』
「僕を抱きしめてどうしたの?大丈夫だよ。絶対に守るから」

ダメだ。私の声が聞こえていない。
それなら私が直接友達を守るしかない。花京院から一気に離れて友達のほうへ駆け寄る。

『んぐっ?!』
「僕から離れられると思ったのか?…許さないよ」
「ひっ…!!」

しかし、花京院の『スタンド』の触脚に両腕と両脚を縛られ、勢い余って思いっきりこけてしまった。床に着く直前に身体を少し捻り顔面強打は避けたものの頭を打ってしまった。痛みと眩暈がする。

「名前ちゃん?!どうしたの?!」
『…逃げて…』
「でも…!」
『いいから逃げて!』
「…!」

なんとか友達をこの場から立ち去らせることができた。
しかし、身体を縛られ、意識も朦朧としてきた私はもう動くことができない。コツ、コツ、と靴の音が響く。花京院がこちらにゆっくりと近づいてくる。

「さぁ、名前、もう邪魔者はいないよ。今日は保健室の担当の先生は来ていないみたいだし…」
『なに…するの…』
「保健室といえばベッド。ベッドですることといえば…ねぇ?もうわかるだろ?だけど、今回は甘いことなんてしない。お仕置きをしなくてはならないからな」
『……』

もう聞こえない…
ここで私の意識が途絶えてしまった。


「君はもう、







僕から逃げられないんだよ。








愛してるよ、名前」
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