リクエスト

□心を満たして
2ページ/4ページ

「落ち着いたか?ちゃんと布団入って寝りゃまたすぐ寝れるだろーよ。」
『…ポルナレフ…』
「なんだ?まだ怖いか?」
『ッ…。うん…怖い…寂しい…1人は嫌だよ…』

私は自分の寝床に帰ろうとする彼を引き止め、離さないようにと腕にしがみついた。すると、また私の横に座り、優しく抱き寄せてくれた。安心感が増していくとともに、もっと彼の事を感じたくなった。離さないで、もっと私を───

『ポルナレフ…抱いてよ…。』
「…はぁぁ!?」

私たちは付き合ってない。それでも仲が良かった。私はポルナレフの事が「男として」好きだった。でも、当の本人は私を「妹のように」可愛がってくれただけできっと「女として」は見てくれていない。そんなことはわかっていた。片思いでも、今の状態が心地いいし、下手な事を言って関係を壊したくなかった。
でも、どうしたことか…私は私を抑えられなかった。彼が、ポルナレフが欲しかった。私を求めて欲しかった。そうすることで寂しさが埋まるのではないかと勝手に自己解決をしていた。

『寂しいの。怖いの…。ポルナレフ、お願い…私を抱い』
「待て待て待て。名前、お前、寂しかったら誰にでも股開くのか?」
『ッ!?違う!私そんなんじゃない…。』
「…ふっ、それが聞けて安心した。名前、俺のこと好きだったんだろう?何故キスより身体を求めるのかは聞かねえ。だが、一つ俺からも言わせてもらう。」

そう言ってポルナレフは私の方を真剣な眼差しで見てきた。何を言われのだろうか、不安に不安が積み重なり怖くなり、下をうつむくと、許さないとばかりにポルナレフは私の顎を人差し指で優しく持ち上げた。

「名前、俺もお前のことが好きだ。お前はどうせ、俺がお前のことを妹としてしか見てないとか思ってたんだろうが、そんなことはない。俺はお前を、名前を、1人の女として見ている。だから、付き合ってくれないか。」
『ッ…!!こちらこそ…おねが…ふぇ…』
「おいおい、泣くなって!可愛い顔が鼻水で台無しだぜ?」
『鼻水でてないもん…うぅ…』

めでたく私とポルナレフは結ばれた。
めでたしめでたし。なんて簡単には終わらなかった。
大好きな人と結ばれたというのに、私の心はまだ穴がポッカリと空いている。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ