想いよ届けっ!
□9 〜嫉妬〜
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どのくらい時間がたったんだろうか
私はずっとツナの腕の中にいた
ツナの腕の中は温かくて……安心できて、とても優しい気持ちになった反面、ずっと心臓の音がうるさかった
このまま、もう少しツナの腕の中にいたい……いたいけど…これ以上は私自身がもたないと思う
………心臓が爆発しそう
私はそっと腕の中から出ようとしたが
『名無しさん‥…』
『っ!』
突然名前を呼ばれた
そのせいで腕の中から出ることは許されなかった
『さっきはごめん…………多分嫉妬してたんだと思う……』
『えっ』
今、ツナが確かに「嫉妬」と言った
「嫉妬」って………あの「嫉妬」だよね‥?
何でツナが私に………?
『男に愛想良く笑ってるところを見たら……ムッときたんだ』
『………』
「嫉妬」「ムッときた」その二つの言葉が頭の中を駆け巡る
『それでだんだん腹が立ってきて……名無しさんに八つ当たりしちゃったんだ…と思う』
『本当にごめん』と私の頭にコツンとツナのおでこがぶつかった感覚がした
その時、私はシャットダウン寸前だった
「ムッときたんだ」「腹が立ってきて」この二つの言葉を合わせると………最初にツナが言った「嫉妬」に全て当てはまる
何でツナが私に嫉妬するの?
‥…私みたいにツナに片想いしていればわかる‥
ツナは私のことどう思っているの?
何でそんなくっつくの?抱き寄せるの?
どうして優しくしてくれるの?
私がボンゴレの一員だから?
どうして?
『……ツナはどうして私に嫉妬したの?』
ポロッと言葉がでてしまった
『えっ』
少し驚いたような声が降ってくる
私はもうここで引いてはいけないような気がした
気づけばもう言葉が出ていた
『ツナ………そんなこと言ったら…期待‥しちゃうよ?』
そう、そんなこと言われたら…そんな言い方されたら期待してしまう………違う意味合いだったとしても
『名無しさん』
少し強く名前を呼ばれると同時に肩をつかまれた