オレとお前の3メートル
□1 〜想い〜
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ーー談話室ーー
俺はソファーに座ってある人を観察していた
そいつは甘栗色の髪を揺らしながらさっきからずっと引き出しを漁っている
「ないな〜‥‥」
どうやら何かを探しているらしい
ガサガサ
「ん゛〜」
そいつは自分の頭をポンポンと叩きはじめた
無意識だろう。
そういう仕草をしているときは‥‥
「名無しさん、カステラなら昨日食ってたじゃん」
「あれっ‥そうだっけ?」
「バカじゃねーの?ししっ」
そう、こういう仕草をするときは食べ物を探している時
ちょうど、この間カステラを談話室の引き出しに隠しているとこもみたし、昨日食べてるとこも見た
「あー‥‥確かに、食べちゃったわ」
あははは と困った顔で笑う
そんな名無しさんを見ているといつも心臓がうるさい
ーー俺と名無しさんは2つ違う幼なじみだ。
そのおかげ…かどうかはわからないけど、いつも名無しさんを見てきた、名無しさんだけを見てきた
年も近いことからボス、スクアーロ、ルッス、レビィ、フラン‥マーモンなんかよりもずっと名無しさんのことを知ってる
なのにお前は‥‥‥
「あっ!フラン♪」
ちょうど談話室に入ってきたフランの元へいち早くかけつける
「あのね〜!」
そう、またあいつに笑った
こういう名無しさんとフランを見ているとイライラするし、見てて辛い
「あれっ、ベルどこいくの?」
「部屋」
そう一言おいて名無しさんの横を通り部屋に戻った