オレとお前の3メートル
□3 〜思い出〜
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今夜のターゲットはイタリアの端の方にある森にいる
オレは部下数名を連れ、その森に向かった
「ベルフェゴール様、ターゲットです」
「ん」
木の陰に隠れ、ターゲットの様子を見る
ティーカップを片手に月を見ている
後ろには黒いスーツを身にまとった男たちがゴロゴロしていた
…どうやらターゲットは部下を連れ、自分が狙われているなんて知らないでのん気に月見をしているようだ
「お前たちは後ろの雑魚な」
「はっ!」
ターゲットが後ろのスーツに話しかけている
今だな
「いけ」
「si」
部下はバッと木の陰から飛び出て後ろのスーツ達を狩る
「な、何だ!お前達は……っ!?」
ターゲットが慌てて銃を構え始めた
「あーあ、そんなに慌てちゃって」
ビュッ
ターゲットめがけてナイフを投げた
「う゛っ!!」
ドサッ
「命中♪」
死んだのを一応確認するため、ターゲットの前に立つと
ガシッ
足をつかまれた
「き、きさまぁ…!!!」
「あり?生きてた」
もう一度ナイフをターゲットの心臓に突き刺した
「ゲームオーバー」
今回も難なく終わった……報告書以外はな
つかまれている方の足を振り、手を離す
「ベルフェゴール様、こちらも終わりました」
部下達の方に振り向くと2,3名減っていた
隊長がいたら『カス共がぁ゛』とか言いそうだな〜
……名無しさん居たら……そいつら2,3名のために涙を流すんだろうな
「お前ら、先に帰ってろ」
「si」
部下達を先に帰らせた
なんとなく1人で空を眺めたくなったからだ
先ほどまでターゲットが座っていたイスに腰をかけ、夜空を見上げる
今夜は月がとても綺麗だ
こんな夜はいつもあの日のことを思い出す