恋煩い(イタチ夢)

□story1
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「手術は成功だ」その言葉を聞き当時の私は憎しみで心臓が張り裂けそうだったがら今では私を担当してくれた医師、看護師にはものすごく感謝している。


看護師「具合は大丈夫ですか?」

少し頭が痛む。頭痛だと思い私は安直な答えを出した。

##NAME##「少し頭がくらくらします」

看護師「それはきっと麻酔のせいですね」

カーテンからの夕焼けの光で顔がよく見えないものの、声色的には笑っているのだろう。実に穏やかそうな人だ。


看護師「自己紹介しないとですね…!私はゆいさんの担当の看護師の宮澤と申します」

そう言って微笑む彼女の顔には自然と口元が緩んでしまう。

ゆい「はい。こちらこそよろしくお願いしますね」

お互いにいい具合に緊張がほぐれ会話がはずんだ。
誕生日や好きなものなどいろんなものを教えあいしたあと、タイミングを見計らって一番気になっていたことを訪ねた。

ゆい「退院はいつですか?あ…別にこの病院が嫌だとかそういうわけではなくてですね…」

そう私がたずねてみると宮澤さんは数秒うーんと考える素振りをしやがてカルテを開いた。

宮澤「ふふ。そんな風に聞かれるのは初めてですよ。ゆいさんは回復が早いですが、様子を見るということで1ヶ月、入院してもらいます。」

付け足しで「無断で病院を抜け出さないでくださいね」と言われた。読心術でも使えるのだろうか…

宮澤「病院の敷地内でしたらお好きにどうぞ。気分転換に中庭なんかおすすめですよ」

ゆい「気分が乗ったら行ってみますね」と伝えておいた。

もともと外に出ること自体あまり好きではないので多分中庭にはお世話にならないだろう。

宮澤「御夕飯のときにまた呼びますね。あと何か困ったことがあれば側にあるナースコールを使ってくださいね」

宮澤さんは「失礼いたしました」といい部屋をでていった。

宮澤さんが言っていたナースコールは思ったよりも汚れており、よく言えば頼りにされている、悪く言えばまぁ汚いとでも言えるだろう。



そんなくだらないことを幾つも考えているうちに、宮澤さんが言っていた御夕飯の時間がやってきた。
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