恋煩い(イタチ夢)

□story3
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医師のところを訪ねたあと、ようやく車椅子から松葉杖に変更することができた。

宮澤さんは松葉杖をもってきたあとすすり泣きながら私の元を立ち去った。本当に彼女は涙もろい。いや、優しいのか。


耳に届く機械の電波音も前までは居心地がいいと褒めていたが今となってはどうでもいい。

電波音よりも呪いの方が大事だというのはこんな私でもわかることだ。

おそらく呪いはあの任務中につけられた。どうやって呪ったのかは不明だが。

おそらく奴は他国か抜け忍で相当な手慣れだ。おそらく私より強いだろう。

この呪いを解いて平和な毎日を数十年先の未来まで続けさせるには凄い長い時間里を出なければならない。

考えてるだけで頭が痛くなってくる。

火影様にも伝えなきゃだろうな、このことは。


ふう、とため息がこぼれた。死ぬかもしれないとわかっているのに冷静で判断できるのが私の長所だと昔、暗部の後輩に言われたのを思い出した。




ゆい「そういえば、イタチさん来てるかな…」

中庭を覗いてみようと来た道を折り返してみた。


が、そこにはその姿はなかった。

仕方なく朝ごはんを食べることにした。

今度はさっきの場所に戻ろうとし来た道を折り返す。

本日二回目だ。


移動するたび松葉杖の規則正しい音が空間に広がる。


遠くからコツコツと何かが近づいているのが感じられた。

ゆい「イタチさんっ……?」


角を曲がりイタチさんと出会う。





はずだった。

角を曲がるとそこには中年の男の人。

顔を見た瞬間人違いだとわかり顔に熱がたまっていくのが手に取るようにわかった。

ゆい「すいません…人違いでした……」

謝ると男の人は大丈夫ですというかわりに軽く頭を下げて私の横を通っていった。
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