夢現...

□※気付いた
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「琴音、風呂沸いてるから先に入れ」




ポンっとタオルを投げ渡してソファに座りながらテレビを見始める丑嶋さん。
お言葉に甘えてお風呂を借りることにした。
蹴られて埃まみれの制服を洗濯機に放り込む、洗面台の鏡に写った私の背中は青々とした痣が出来ていた。




シャワーを頭から浴びて考え込む、温かいお湯が背中と頬に熱を持たせる。
ズキズキと痛み出した痣たちに顔を歪める。




サッと髪も体も洗ってお風呂場から出てきた。
ポタポタと髪から雫が流れる。
下げていた視線をふと上にあげれば丑嶋さんが目の前にいた。




『入りますよね?すぐ出ま…』




言い終える前に背中に感じたものは恐らくきっと壁。
目の前には丑嶋さんがいて、壁に押しやられていた。
鼻をかすめる彼の香りにまたあの時の感覚が甦る。




「琴音、背中見せろ。」




『え…?』




ぐるりと向きを変えられて彼の前に背中を向ける形になった。
背中まである濡れた髪を丑嶋さんは退かして痣を見つめる。





「痛むか?」




そう耳に届くと同時に背中に鈍い痛みが走った。
丑嶋さんが指で背中の痣を撫でたのがきっと原因。
ビクリと大きく体が跳ね、顔を僅かに歪めた。




『いっ……』





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