DREAM

□火の国、木の葉の里。
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里の中を走り抜ける一行は、

やがて人気のない建物へ辿り着いた。


その入り口でやっと立ち止ったカカシはゆっくりゆなを下ろすと、

自分で歩けることを確認して中へ入るよう促した。

階段を下りて向かった先は地下の暗い部屋だった。

部屋はそれなりの広さがあるのに、

ベッドとテーブルとイスしかないがらんとした部屋だった。


「そこで座っててくれ。」

灯したばかりでまだ薄暗い照明の下、

火影がゆなをベッドへ促す。

無言でコクリとうなずいてそっと座る。



部屋には火影とカカシ、

護衛についていた2人とゆなだけだった。

ネジやシカマルは建物の前で待つよう言われていた。

すると、部屋に新たに人が二人入ってきた。


「遅くなりました。」

「綱手様・・・」


「いのいちか。

 いや、こちらも今着いたところだ。

 シズネ、着替えと怪我の処置をしてやれ。」

「はい。」



いのいちと呼ばれたのは火影と同じような髪色で、

その長い髪を頭頂部あたりでひとまとめにした男性だった。

少し離れたところで火影・カカシと何か話している。


シズネは短めの黒髪で同い年くらいの感じのいい女性だった。


「じゃあ、これに着替えてくれる?」

「あ・・はい・・。」


手渡されたのは病院などでよく見かけるような、

前開きの上下つながった簡易的な灰色の服だった。

それを着ようと服から腕を抜こうとしたときだった。

急に背中に痛みが走る。


「うっ・・痛っ・・・」

「背中が痛む?」

「はい・・・。

 さっきまでは平気だったんですけど・・・。」

「じゃあ私がやるわ。」


シズネが丁寧にシャツを脱がせてくれた。

ブラの上には一応キャミソールのアンダーを着ているので、

男の人が見ていてもそこまでの恥じらいはなかったが、

シズネがそのアンダーに手をかけたときには流石に焦った。


「あ、あの・・・」

「これも、脱いでくれる?」


下唇をぎゅっと噛んで部屋の中にいる男性たちに目をやり、

ここでは脱げないと無言で訴えると、

シズネが小さな声で反論する。







「いまこの木の葉の里は大きなチャクラを持った

 たった一人の侵入者のおかげで、

 多くの抜け忍がこの地へ足を踏み入れ、

 里の門を全て閉鎖する非常事態になってしまったの・・・。

 この部屋は本来は忍専用の尋問部屋なのよ。

 けれどあなたは忍じゃないし、

 私たちも手荒なことはしたくない。

 あなたが何故この地へ来たのか、

 私たちにもあなたにも知る権利があるはずよ。

 それに・・怪我の手当てもしなくちゃ・・。

 ・・・・協力してちょうだい・・!」
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