DREAM
□新しい生活。
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その日の夜。
所用があるからと
夕方から出かけていたカカシが病室へ戻ってきた。
「火影様からの伝言〜。
あと数日病院で過ごして、
それ以降に関してはアパートの部屋を用意しているのでそっちへ移れとさ。
それと、生活に必要なお金はまとめて後で渡すから、
大事に使いなさいって。」
「・・え・・、部屋を・・用意してくれるのっ?
でも・・、ここでもいいのに・・」
「あのねぇ、病院の個室ってのはそこそこ高いんだから〜。」
「そ、そうですよね・・すみませんでした・・。」
「アハハ。
・・ま、この里の暮らしも悪くないから楽しむつもりでいたほうがいいんじゃないのかな。
それにここはあくまで病院。
看護する必要のない者は退院させられるのが当たり前でしょ。
それもあと少しってところだしね。
」
「・・やっぱり、
そう簡単に鬼火のこと分からない感じ・・だよね?」
「う〜ん、そうだな。
明日から何人か、一族のいた集落周辺の調査に出ることになってるけど、
長期任務になりそうな感じだよ。
かつて戦場だった場所だし。
でも里の中だけじゃ情報不足だから仕方ないんだけど・・。」
「・・いろいろと・・ありがとう。
私に協力できることがあれば何でもするから・・。」
「そうだね。
そのうちまた呼ばれると思うから。そんときはよろしくね。」
ゆなの表情に、
まだ先ほどの落ち込んだような暗い表情が少しだけ残っていたが、
ほとんど普通に戻ったようでカカシもほっとしていた。
翌日、病室に綱手とシズネがやってきた。
「・・私のためにいろいろとしてくれて嬉しいのですが、
正直、申し訳ないって思っています・・。
カカシから鬼火の力は隔世遺伝だと聞きました。
だから、たぶん私は力が使えない世代なんじゃないかなと・・。
それなのに・・」
「うむ、確かにそうだな。
・・しかしそのあとに私たちが調べたところによると、
鬼火の力は100パーセント隔世遺伝ではないらしい。
だが、ゆながこの世界に出現する時のような強大で緻密な術を発動できるほどの力を持つ者は
能力を受け継いだ中のごく少数だったようだ。
そうでなくとも謎の多い一族だ。
自分で気づいていないだけで、
計り知れない力を持っている可能性だってある。
一度もチャクラを練ったことのない者でも、
体質やコントロールのセンスで上忍レベルまで成長する忍もいる。
お前も訓練次第では見込みがあるかもしれんぞ?」
「私でも・・チャクラを・・」
「可能性という話だがな。
そういうことも含めて方々から情報を集めているところだ。」
「そうですか・・。」
「今のゆなに力がないのは、
向こうの世界に長くいたせいなんじゃないのか?
もう少しこの地にいれば徐々にチャクラも練ることができるんじゃないかと思うけどね。
鬼火一族は時空間忍術が最も優れているが、
血継限界を持たなくともその忍術は秀でたものがあるそうだ。
ここの里にも優秀な忍はたくさんいるが、
もしお前に力があるのなら、
力となってもらいたい。強制ではないがな。」