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□後輩のくせに
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「なんでこんな簡単な事も出来ないんですか?」
「なんでそんなこと言われなきゃならないのよ馬鹿!」
「馬鹿っぽい人に馬鹿って言われたくありませーん。」
「年上に向かってその態度はなによ!」
「年上でも馬鹿は馬鹿でしょう?」
「馬鹿馬鹿うるさーい!!」
私はバディポリスとして働いている。
その仕事場には年下の男の子、龍炎寺タスク君がいる。14歳という若さでしっかり働いている偉い子だ。だけど、口が減らない。それも私にだけ。
「滝原さーん…タスク君が酷いんですー!」
「こらこら。ちゃんと仕事しろよ?」
「怒られちゃいましたね。ドンマイです。」
笑いながら言ってくる彼に私は少し声をあげて、
「誰のせいだとおもってるのよ!?」
と叫んだ。
「自業自得でしょ?」
正論過ぎて何も言い返せない。
騒いだ私も悪いんだし…
「うー…」
落ち込んでいるような素振りをみせてみる。実際かなり凹んでるし。
「えっと…僕も悪かったです。ごめんなさい…」
謝られてしまった。しおらしい彼を見るのは久しぶりだった。ちょっと遊んでみよう。
「別に…」
「本当にすいません!そんなつもりなくてっ…えっとただの冗談でっ…」
焦る彼が可愛くてもっと遊んでみたくなる。
「もういいって」
「うぅ…」
気づくと彼は泣きそうになっていた。
そうなると今度は私が謝る番だ。
「ごめんね?ちょっとからかってみただけっていうか…」
「知ってますけど?」
「へっ…?」
顔を上げるとタスク君はけろっとした顔でこっちを見ていた。
「騙されましたね〜!」
「こんのっ馬鹿!!」
年下の男の子に手玉にとられた気がしてならない。
そんな今の関係を疎ましく思っていない自分に少し戸惑いつつも今日も軽口を言い合う。

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