捧げもの

□サボタージュ
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「名無しさんー、移動教室一緒に行こうぜ」

『うん!あ、青空くんも一緒に行こう?』

青空「え…僕も、ですか?」

『ダメ?』

青空「ダメではないのですが…」




チラッと隆文の方に目配せする青空くん
アイコンタクトってやつ?
なんだかちょっと妬けちゃうな




青空「申し訳ありません。お二人で先に行ってて下さい」

「と言うことだ。ほら名無しさん行くぞ」

『うん。じゃあまた後で』

青空「はい」




私と隆文は教室を出る
廊下はあまり人がいなくて静かだった
私達はいつものように他愛ない会話をする。




「なぁなんでさっき青空を誘ったんだ?」

『だって、みんな一緒に行った方が楽しいでしょ?』

「あぁ、そう言えばお前はそういう奴だったな」

『どう言う意味ぃー?』

「そのまんまの意味」




なんてイタズラっぽく笑う隆文の笑顔が好き
心が落ち着くっていうか安心するっていうか…




『隆文…好き』

「お、おぅ、俺も名無しさんのことが好きだぜ」

『隆文、顔が真っ赤』

「うるせー、名無しさんが可愛いこと言うからだろ。不意打ちは反則だって」

『思ったことを言ってるだけだもん』

「無意識かよ」




あ、また笑った。
この笑顔好きだなぁ。もっと見ていたくなるもん




「なぁ名無しさん」

『なぁに?』

「俺以外の男と喋るなよ?」

『えぇ!?それってつまり白鳥くん達とも話しちゃダメなの?』

「なんであいつの名前が出たのかこの際気にしないが、そういうことだ」




私の頭をぽんぽんと優しく撫でながら言われたら、YES以外の答えなんて出てこないよ




『うん。隆文が言うなら私頑張って話さないっ!』




私の答えに満足だったのかホッとしたような顔をする隆文
この約束ってそんなに大事なこと?




『でも、なんで話しちゃダメなの?』

「あぁ〜、なんつーか、独占欲?俺のいるとこで話されてたら嫉妬しそうだし、俺のいないとこだったらもちろん嫉妬する」




あと名無しさんは鈍感つーか天然つーか…なんて言われた
私って鈍感?天然?そんなつもりはないんだけどなぁ
でもそっか、嫉妬か…




『私も、隆文が他の女の子と話していたら嫉妬する!』




そうか…って優しく微笑まれて頬が赤く染まる




『隆文、好きっ!』

「ぶっ!!ゴホッ、ゲホ…」




隆文への愛しさが込み上げてきたから好きと伝えたら、どうしてだか噎せちゃったみたい




『だ、大丈夫!?隆文!』

「だから名無しさん、お前さぁ無意識に可愛いこと言うなって!
いいな、俺以外には言うなよ」

『隆文以外に言うわけないもん!』

「当たり前だ。まったく…」

『ね、ね、隆文』

「あん?」

『このまま授業フケちゃお?』

「は?何言って…」

『なんだか今、隆文と2人になりたい気分』

「はぁ、名無しさんには負ける」

『ふふっ、やったぁ!』




その後、どうなったかはご想像にお任せします。なんてね…






END

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