捧げもの

□幸せで素敵なこと
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『みんな、久し振りっ!』

夜久「久し振り!」

東月「これ、みんなで食べようと思って作って来たよ」

犬飼「サンキュー、東月」




今日は私が妊娠したと聞いてみんなが祝おうと駆け付けてくれたのだ
結婚式を挙げると言った時より喜んでくれているのは何故だろう?
月子はどちらも喜んでくれているが…




夜久「名無しさんちゃん、苦しくなったら言ってね?」

『うん。ありがとう』




私は本当に良い友達をもったと思う




土萌「それにしても時が経つのは早いね。気付いたら2人が付き合っていて結婚して、そして妊娠かぁ…」

七海「言うな、羊。おっさんになった気がするだろ」

土萌「哉太はおっさんでしょ?」




そして2人の言い合いが始まる




『ふふ、相変わらずだなぁ』

犬飼「賑やかでいいんじゃね?」

『そうだね』

白鳥「こらソコー、目の前でイチャイチャしなーい!」

『べ、別にイチャイチャなんてっ』

犬飼「なんだよ、羨ましいのか?」
白鳥「羨ましくねぇーよ!!名無しさんちゃんを独り占めすんなって言ってんだ」

犬飼「羨ましがってんじゃんw」




こちらも言い合いが始まる
うん。これも相変わらずだな




青空「名無しさんさん」

『なに?』

青空「いえ、対した用ではないのですが…久し振りに会った名無しさんさんがあまりにも綺麗になっていたので」

『え…あ、そう?』

宮地「青空、人妻を口説くのはどうかと思うが…」

青空「嫌ですね。僕は本当のことを言っただけですよ?口説いてなんかいません」

宮地「む、そうだったか。すまない…」




これは、うーん。
これも相変わらずかな?




『みんな変わってないよね』

東月「そうだね。特に名無しさんに関する態度はみんな変わってないよ」

『へぇ、そうなんだ』

東月「うん。例えばあの2人とか…」




指の先には青空くんと宮地くん
そして東月くんが話し始める




宮地「名無しさん、今度一緒に出掛けないか?」

『いいけど、どこに行くの?』

宮地「ちょっと遠いが、ケーキバイキングがあって…その…」

『OK。私もケーキ好きだし、付き合えば良いんだね?』

宮地「あ、あぁ、すまないな」

『良いって言ってんじゃん』

青空「名無しさんさん、おはようございます」

『おはよう!』

宮地「おはよう青空」

青空「あぁ、おはようございます宮地くん。気付きませんでした」

『青空くんが周りに気付かないこととかあるんだね』

青空「名無しさんさんが可愛らしいので、周りが霞んで見えるんですよ」

宮地「む…」

『あ、青空くん…恥ずかしいです』






──…






東月「とか、さっきのやりとりに似てない?」

『言われてみれば…てゆーか、なんで知っているの?』

東月「俺もそこにいたから」

『そうなんだ』

青空「僕たちの話しをしているところ悪いですが、東月くんも相変わらずですよね」

宮地「よく名無しさんにお菓子作ってはあげていたな」

東月「そりゃ名無しさんが美味しそうに食べてくれるから、こっちも嬉しくてね」

宮地「そのあと、大体が犬飼によって妨害されていたが」

『あ、そうだよ!せっかく東月くんから貰ったのに、「餌付けされんな!」とか言われて隆文の胃の中に…』




思い出したらなんか腹が立ってきたぞ!
東月くんのお菓子食べたかったのに…




東月「へぇ、それは知らなかったなぁ」

犬飼「待て東月、過ぎた話しだろ!?黒い笑顔でこっち見るな!」

土萌「錫也…こわい」

夜久「名無しさんちゃん、見ちゃダメ」




月子によって目を塞がれた。
何故!?
何が起こっていると言うの!?


しばらくして手がはずされた




『何をしてたの?』

東月「何もしてないよ。なぁ?」

犬飼「あぁ」




詳しくは聞かないでおこう




「たくっ、騒がしい奴等だった」

『でも楽しかったね』




あぁ…と短く返事をする隆文の横顔は、とても穏やかで
少しばかりみんなに妬けてしまった




「つか、名無しさん。なにやってんだ」

『何って、後片付けだけど』

「それくらい俺がやる」




そう言って私を無理矢理ソファに座らせて後片付けをし始める




『ふふ、ありがとう隆文』

「名無しさんは妊娠中だからな。動くのでさえ大変だろ?」

『うーん。まぁねぇ』

「んじゃあ、無理すんな」

『お言葉に甘えます。お父さん♪』

「!!?」

『隆文もお父さんになるもんね』

「じゃあ名無しさんはお母さんだな」

『そうだね…。あ、もしかして隆文照れてる?』

「うるせぇよ」




幸せだな…って思う。
妊娠をみんなが祝ってくれて
隆文がそばで笑っていて
私はお母さんになるんだ




『ねぇ隆文』

「なんだ?」

『名前、考えよっか』




ほんの数秒黙ったかと思うと、照れたように
でも幸せそうに、「そうだな」って笑ってくれる君を
好きになって良かったと心から思う。






END

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