捧げもの

□キストキメキトスキ
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もういっぱいです。




「名無しさん、まだまだあるからな」

『う、うん』




お腹がいっぱいです。
でもって胸もいっぱいです。幸せすぎて




「名無しさん?箸が止まってるぞ」

『あ、ごめん!』

「ほら、」

『ん?』

「わからない?ほら、あーん」

『…』




幸せすぎて死にそう
大好きな彼氏が私の好きなものを作ってくれて、食べさせてくれる
何コレ。何て言う至福?




『あーん』

「美味しい?」

『美味しいです』

「名無しさん」




返事をするより速く、錫也が私の唇を塞いだ。
いきなりのことに思考がショートした私に、チャンスとばかりに錫也の舌が入ってきて




『す、錫也っ!』

「なに?」

『せめて歯を磨いてからがよかったです』




なんて的外れなことを言った気がするが、錫也の勢いが止まってちょっと安心
心臓がもたない




「じゃあ歯磨きしようか」

『え?』

「今、すごく名無しさんとキスしたい気分」

『す、錫也!?』




なんやかんやツッコンだけど、有無を言わさずって感じで歯磨きをしている。
これからキスするってことですでに心臓はドキドキとなっている。たかがキスたかがキスもう何度もしたんだ。
と心で呟くも
されどキスされどキス錫也とするのにトキメかないはずがない。
ともう1人の自分が囁く
それだけで真っ赤になってしまう顔を見ながら、歯磨きを終えた




『ん…ふ、っ…』




突然のキス




『す、錫也、今日がっつきすぎじゃない?』

「名無しさんが可愛すぎるからね」

『〜〜っ、』




それに、お腹いっぱいなのに無理して食べてくれているとこ見たら名無しさんを食べたくなっちゃったんだ
なんて可愛らしく言うのにトキメいては言葉を発することが出来なくなった
錫也は私を殺す気だ。
このままじゃ心臓止まっちゃうよ…




『錫也、』




私ばかりがドキドキするのは不公平だと思い、キスをする。
結局は自分が恥ずかしくなって失敗だけど…ほんのりと赤くなった錫也の頬が見えて




『錫也、好き!!』




満面に笑みを浮かべてやった




「名無しさん」

『ん?』

「俺も好きだよ」




そう言ってたくさんのキスが落ちてきた。
これ以上私を錫也に溺れさせて、錫也はどうする気なんでしょう?






END

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