いぬぼく 小説

□メゾン・ド・章樫
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どうぞ、よろしくお願いします。
と、莉桜は笑った。柔らかく、儚く、でもしっかりした笑顔に、主婦たちは釘付けになっていた。

「え、ええ、こちらこそ、宜しくお願いします…」

「そうそう。先週の入居者。あの子、緊張していただけなんです。本当は、とっても可愛い子なんですよ。」

そう付け足してから、うっとりとした表情を浮かべる主婦たちにもう一度笑顔を返し、莉桜は引越し業者の元へ戻っていった。

…あの子たちは、元気にしてるかな?
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