短編

□もしも彼女がイベキャラだったら
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あの子が気になる?[複]
名字名前・友沢亮 2人コンボ

(キャー! キャー!)
「うわあ、まあた女の子が来ているよ。相変わらず友沢のファンはすごいなあ」
「本当でやんすね」
「くそっ、あの中のひとりくらいオレのファンでもいいじゃないか!」
「その通りでやんす! オイラだってやる時はやるでやんす!」
「あー、こんな時は練習だ! 行くぞ、矢部くん!」
「ガッテンでやんす!」
「小波くん、矢部くん」
「あ、名前ちゃん」
「どうしたの?」
「あれを見るでやんすよ」
「あれ? ああ、友沢くんのファンの方ね……。いつも思うけど、ものすごい数だね」
(友沢は名前ちゃんが好きなのに、これじゃあなかなか言えないよなあ。せっかくいい感じなんだから、どうにかしたいけど……)
「友沢くんは人気者なのね。羨ましいな」
「え? 羨ましい?」
「うん。ほら、私は地味だから……」
「でも名前ちゃんは地味でも優しいでやんす!」
「ふふ、ありがとう矢部くん。そう思ってくれる人がいてくれて嬉しいよ」
「ちょ、ちょっとまって名前ちゃん」
「なあに?」
「名前ちゃんって、その、友沢のことを羨ましいって思ってるの?」
「え? うん。だって、人気者だなんて憧れちゃうなあ……なんちゃって。私じゃなれっこないけどね」
(……これじゃあまだまだ前途多難そうだなあ。名前ちゃん、優しいから友沢のことを好きになり始めたんじゃないかって勘違いしちゃったよ)
「小波くん?」
「あ、いや! 確かに友沢は人気者だよなあ! オレもなってみたいと思ってたんだあ」
「じゃあ、小波くんも友沢くんに負けないくらい頑張らなくちゃね。矢部くんも。私、ちゃんと見ているから!」
「お、おう!」
「まかせるでやんすよ!」
(タッタッタ……)
「小波くん」
「なに?」
「もしかして、友沢くんと名前ちゃんにトクベツな関係でもあるでやんすか?」
「ゲッ……。す、するどいね。矢部くん」
「あれを聞いていれば、わかるでやんすよ」
「まあ、友沢の一方通行なんだけどさ。あまり言いふらしたりしないでね」
「失礼な! オイラは約束を守る男でやんす!」
「そっか、よかった」
「小波くんだったら別でやんすが、友沢くんは後が怖いから黙っておくでやんす」
「ちょっとそれどういうこと」

筋力ポイントが15上がった。
技術ポイントが15上がった。
代打の神様のコツをつかんだ。
精密機械のコツをつかんだ。)

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