短編

□もしも彼女がイベキャラだったら
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告白[複]

「ふう、今日も頑張ったなあ」
「小波くん、お疲れ様」
「あっ、名前ちゃん。そっちもお疲れ様」
「今日もバッティング練習に守備練習、大変そうだったね」
「えっ、オレの練習メニュー知ってるんだ。名前ちゃん、二軍の練習もよく見てるんだね!」
「…………」
「さすが! マネージャーの鑑!」
「そ、そんなことないの! だって、知ってるのは小波くんだけだもの!」
「……えっ?」
「あっ! えっと、こ、これは……その……」
「……名前ちゃん?」
(もうっ……なんで言っちゃうの……!)
「あ、あのー……」
(こうなったら言うしかないのかな……でも、小波くんに嫌がられたら−−そんなの耐えられない!)
(名前ちゃん、考え込んだまま動かないな。もしかして体調でも悪いんじゃ……? よし、ここは助けてあげないと!)
(じゃあ、どうやってごまかすの? これじゃあまるで変な人になっちゃう……)

(ピトッ)
「きゃああああ!」
「うわっ!」
「ここここここ小波くん!? な、なに!?」
「い、いや、熱でもあるのかなと思って手を……って、名前ちゃん! すごく顔が赤いよ!?」
「こ、これは……っ、あ、あの、あなたの、あなたのせいなの!」
「えっ、オレ!?」
「練習を見ていたのも、顔が熱いのも、全部小波くんのせいなのっ!」
「! そ、それってもしかして……」
「そうだよ、す、好きだから! だ、ダメ、なの? 私が好きでいちゃ……」

ごめんね
そんなことないよ
友沢の方がいいよ

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