短編

□もしも彼女がイベキャラだったら
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クリスマス

「す、すごい……」
「モミの木にイルミネーションが飾られているね。クリスマスって感じだなあ」
「えっ!? 毎年、外の木まで光るの!?」
「え? うん。普通じゃないかな」
「普通じゃないよ! 私の地元じゃこんなことあり得ないもの!」
「そ、そうなんだ。名前ちゃんってこうみるとやっぱり田舎娘なところがあるよね」
「はっ。ううん、別にすごくないの。私は田舎娘じゃないんだから」
「はは、珍しく意地になるんだね。かわいいな」
「!? か、かわいいなんて、そんなことないよっ」
「ううん、オレから見たらかわいいんだって! 名前ちゃんは最高だよ!」
「も、もうっ、褒められ慣れてないんだからそんなに褒めないで!」
「そういうところもかわいいよなあ」
「小波くんったら……」
「ねえねえ、方言とかないの?」
「ないよっ、そんな田舎じゃないもん!」
「……でも、街がクリスマス色にならないくらいなんでしょう?」
「うっ……」
「もしかして名前ちゃん、クリスマスの風習とか知らない?」
(ジーッ)
「し、知ってるよ! そんなこと!」
「ふうん……じゃあもちろんクリスマスは恋人と家で過ごすことは知ってるよね?」
「えっ、い、家で……? も、ちろん! 知ってる!」
「じゃあ、家でどんなことをするかは?」
「えっと、そ、それは……もう! どうせ田舎者です!」
「はは、ごめんごめん。からかいすぎちゃったね」
「いいもん、わからないのは確かなんだから。その代わり、教えてくれる?」
「えっ……」
「小波くん?」
「……ああもう、名前ちゃん! 心配だよ!」
「な、なに?」
「そうやって、都会を餌にする知らない人のところに着いて行かないでね!」
「い、行かないよっ!」

体力が60上がった。
やる気が上がった。

筋力ポイントが60上がった。
敏捷ポイントが60上がった。
精神ポイントが20上がった。
名前ちゃんの評価が5上がった。

初詣

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