短編

□もしも彼女がイベキャラだったら
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初詣

「あけましておめでとう、小波くん」
「おめでとう、名前ちゃん。今年もよろしくね」
「こちらこそ。今年は最後の夏だね」
「うん。名前ちゃんを甲子園に連れて行けるようにオレ、頑張るよ!」
「頑張って! 応援してるね」
「わあ、神社はすごい人だなあ」
「こ、こんな人だかり……逸れちゃわないかなあ」
「大丈夫だよ。名前ちゃん、オレの手をしっかり握ってて」
「う、うん……」
(ギュッ)
「小波くん、優しいね」
「そんなことないって。ほら、名前ちゃんと手も繋げて役得でしょ?」
「役得……えへへ、私も役得だ」
「そ、それならオレ、名前ちゃんの手を強く握っちゃうよ?」
「……いいよ」
「えっ、いいの? オレ、汗っかきだよ?」
「もう、こんなに寒いのに? じゃあ私の手を温めてください」
「ま、まかせてよ!」

「あっ、おみくじがあるね」
「よーし、引いてみるぞ。どれどれ、今年の運勢は……大吉だ!」
「わあっ、いいことありそう!」
「名前ちゃんも引いてごらんよ」
「うん! よ、ようし。神様、お願いします」
(名前ちゃんってやっぱりところどころ田舎者だよなあ)
「こ、小波くん、見て!」
「うん? おおっ、大吉だ!」
「やった、小波くんと一緒だよ!」
「お互いにとっていいことがあるってことかな?」
「それって、つまり……」
「甲子園出場……?」
「そ、そうかも!」
「う、うおー! やってやるぞ! よし、早速練習だ!」
「うん、私も付き合うね!」

体力が10上がった。
筋力ポイントが45上がった。
敏捷ポイントが60上がった。
技術ポイントが45上がった。
精神ポイントが60上がった。
名前ちゃんの評価が5上がった。

バレンタイン

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