短編

□もしも彼女がイベキャラだったら
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エピローグ

「す、すごいよ小波くん! プロ入りってことは、これからテレビに出て野球をするんでしょう!?」
「そうだよ! フッフッフ、オレの勇姿が全国デビューだ!」
「全国デビューかあ……。小波くん、有名になるんだね」
「おう! 野球で有名になったらこれほど嬉しいことはないよ! 頑張るぞー!」
「頑張って、一番に応援してるからね。……そっかあ、プロかあ」
「名前ちゃん?」
「ねえ、小波くん。ひとつだけお願いがあるの」
「なに? なんでも頼ってよ。名前ちゃんのためならどんなことだってやってやるぞー!」
「……小波くん、ありがとう」
「いや、当然のことだよ!」
「私、小波くんのそういう真っ直ぐなところが大好き」
「えっ、名前ちゃん……」
「だから、小波くんが一生懸命になって野球をしているところがすごく好きなの。……でも」
「でも?」
「どんなに有名な選手になっても、私のこと、忘れちゃダメだよ?」
「な、忘れるなんてそんなことあるわけないよ!」
「ふふ、じゃあ忘れちゃったら拗ねちゃうからね。小波くんは、私のものなんだから」
「なんだか、今日はいつもより積極的だね」
「だって心配だもん。大好きな人が手の届かない人になっちゃいそうで。私じゃ、小波くんと同じところまで行けないから、たまには私のところまで来て。これが私のお願いです」
「そんなかわいいお願い、いつでも歓迎だよ」
「かわいいなんて……ワガママなことなのに」
「名前ちゃんのワガママでしょ? オレからすれば、もっと欲しいくらい!」
「小波くん……」
(ギュッ)
「え、名前ちゃん!?」
「えへへ、小波くんがもっとワガママして欲しいなんて言うからだよ」
「ああ、もうっ。そういうところがかわいいんだよ! 名前ちゃんだって、オレのものだからな!」
「私は最初から小波くんのものだよ。ねえ、かわいいのならこれからも小波くんのことを見ていてもいい、よね?」
「もちろん! プロ入りした後も、名前ちゃんにかっこいいところをたくさん見せてやるぞー!」
「うん、期待してるからね!」

筋力ポイントが80上がった。
敏捷ポイントが80上がった。
技術ポイントが80上がった。
精神ポイントが80上がった。

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