番外編
□小悪魔下準備
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ふぁあー、授業終わった。よく寝たなー。よし、百合香に会いに行こーっと。……でも、百合香、昨日泣いてたんだっけ。あんな姿は、初めて見たなあ。うん、ここは親友の私がなんとかしてあげなくちゃね。
でも、どうしたらいいの。
元気づけてあげるには、どこかに出かけるのがいいかな。んー……、だけど、百合香、倹約家なところもあるし、冬に私の服をワンセット買わせちゃったから、お金を使うことには乗ってこないかも。うーん、あまりお金を使わないように、か。……あ、それならタダで行けばいいんだ。
じゃあ、どうやったらタダで遊びに行けるかな。そうねー、うーん。割引券とか優待券とかがあればいいんだけど……。あ、そうだ。先輩たちの教室に行ってみよっと!年上だし、役に立つものを持ってるかもしれないわよね。
そうと決まれば、レッツゴー! 善は急げ、よ!
「せーんぱぁいっ」
「あ、みずきちゃん。どうしたの?」
「私ね、お出かけしたいんですぅ。なにかチケットないですかぁ?」
必殺、甘えちゃう攻撃! ふっふーん、これで落ちないオトコはいないんだから。
ほら、先輩も財布をあさりだしたわ。らっくしょう!
「あ、ディナーの無料券ならあるよ。よければ俺と行く?」
ディナーの無料券か。イイモノ持ってるじゃない、それなら百合香と一緒に行けるわ!よし、なにがなんでも手に入れなきゃ。
「せんぱーい、それ行きたいですっ」
「じゃあ行こうよ! 他に一緒に行きたい人でもいるの? あと2人まで誘えるよ」
ちっ、あんたはついてこなくていいのに。でも先輩だしなー。力づくでもらうわけにもいかないし、なんて言ったらくれるかなー。
百合香が思いつめてるんですって、素直に話しちゃう?あ、でもそれじゃあ私が出かけたいって言ったことと反するわよね。
だいたい、女の子同士で行くんだから空気読んで引きなさいよ!この人絶対モテないな。
……女の子同士。そうだ、この手があったわ!わたしってばあったまいー!
「百合香と、あおいさんと、聖! あ、そしたら5人になっちゃいますね……。でも、この4人はいつものメンバーだし、誰ひとり外せないなあ……どうしよっかなあ」
「そっか、みずきちゃんの仲良しグループを壊すわけにはいかない! チケット、あげるから行っておいで!」
「本当ですか? きゃーっ、先輩ありがとうございますぅ!」
ほらね、チケットいただきーっ。男の先輩ほどチョロい人はいないわね。へえ、このお店、結構人気あるところじゃん。しかもわりと高級。あの先輩、また困ったら頼ってみよーっと。
でも4人か……。百合香と私でふたりでしょ。残りのふたりは使わなくてもいいけどどうしようかな。
とにかく、教室に戻ろ。この後のことは、後で考えればいいや。