Main

□視線(跡蔵)
1ページ/3ページ

好きな相手の視線を独り占めしたいとは、誰しも思うもの。

だが、その視線がすれ違った女の子の『胸』に行っていたともなれば、白石のショックはおいそれと察せられるというものだ。

そんなわけで、白石は今悩んでいた。

「……」

鏡の前でひとり、無い胸を見つめる。

そこには、白い肌にしなやかな筋肉が巡っているだけだった。

男としては綺麗なカラダだと思う。

だが、それは今白石が憧れる『豊満な胸』ではない。

「アカンやん…」

うなだれた白石は、不意に鳴ったチャイムにどきりとした。

今日は家に白石だけ。

ゆかりは友達と遊びに行っていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ