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□★本命(跡蔵)
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『女除け』。

跡部景吾が、そんな理由で付き合っている相手がいる。

白石蔵ノ介。

そこらの女なら裸足で逃げ出すような、圧倒的な美貌の持ち主。

中性的なフェロモン。

跡部が、可愛がってやまない男だ。

跡部の、この冬の期間限定恋愛の相手である。

「氷帝って無駄に広いねんな」

テニス部の部室に辿り着いた白石は、残っているのが跡部と数名の女子生徒たちだけだと悟ると、わざと跡部に近づいて小さな声で耳打ちした。

「やるん?」

演技を。

跡部の冬制服のネクタイをするりと引いて、キスをねだる風の白石だ。

「悪いな、白石」

小さく言った跡部は、柔らかな白石の唇をやんわりと貪った。

白石は『男除け』。

利害は一致している。

跡部景吾の専属だという噂で、白石とてだいぶ虫除けになっていた。
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