赤兎戦闘記

□想いは届く、双子なら。
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巨大な宇宙に浮かぶ巨大な船、春雨のもの
それに、ある小型船が近づいていた
そして十分な距離まできて、狙いを定めて…





ドガァン‼︎


…穴を開け、入り口をつくった



「な、なにごとだァ!」


「船が攻撃を受けたぞ!」




パラ、パラ…



爆発によって立ち上がった煙の中から一人、出てきたのは神威だった。


「神威団長だ!お帰りなさいませ!」


「あぁ、ただいま。



じゃねぇだろォォ!
お前ら何回間違えたら気がすむんだァァ!」



ドカンドカン


「ナレーションも間違ってたよね今!」


「「ギャァァァ!」」


腰を抜かした脇キャラたちは逃げてしまった。
火を吹いた自分の傘の銃口からでた煙を手でパタパタしながら、私は周りを見渡す。


そう、この女、ななし
ここで第七師団の団長を務めている神威の妹である


立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花などという女性は、この世にどのくらいいるのだろうか

それとは正にななしである

戦闘能力は神威に匹敵し、容姿も良い
問題はこの口の悪さと性格である




…ナレーション嬉しいんだけど最後余計だわ

あぁ、もっとマシな奴いないの
てか今日春雨いくよってLINEしたはずなんだけど神威見てないのかな



そういや、私達双子は2年ほど前、スマホデビューした



詳しく言うと、宇宙をフラフラしてる私と神威がいつでも連絡を取り、会えるように阿伏兎が気を使って買ってきてくれたのだ



正直私は双子のこう、テレパシーで繋がってる的なものがあるから必要ないと断った、
神威は頭にハテナを浮かべていた



だが、地球さんのだぞ、とかニヤニヤしながら阿伏兎が持ってきたピカピカのスマートホンとやらに私たちは釘付けになり、
今ではすっかり肌身離さず持っている




「スマートフォンだよバカ娘」



「うるさいなシホンケーキとシフォンケーキでそんな変わりないのと一緒だわ」



「変わりあるわ!言ってる感じ変わらないけどシフォンケーキの方がなんかふわふわして美味しそうだろ!」


「ん、阿伏兎じゃん」


現れたのは阿伏兎だった。



「今頃ォ?

って、なんだお前さんはまた船破壊しやがって
団長といい勝負だぜ、今月だけで船の修理費が一体いくらかかってると…


「それよりさ、阿伏兎
神威しらない?」




「あ?団長様ならどこかほっつき歩いてんじゃねぇのか、お前と同じくよ」




またダラダラと長くなるであろう阿伏兎の説教を無視して、私は艦内を歩き始めた



すると後ろから



「ななしーーーーーー!!」




「どがふっ」


「久しぶりだねななし、会いたかったよ」





「ゔ、うん神威おもいおもい…」



「どれくらい会いたかったかっていうとねぇ…

「もう伝わってる重みで伝わってる」





上に乗っているのをどかし向き合うと、見えたのは大好きな兄の顔。


顔が見れて安心した様子で、
神威はすぐに抱きついてくる





「1年ぶりくらいかな、お帰りなさいななし」




「ただいまです、神威」



私たちは容姿も考えも、




ゴキゴキゴキッ



「「いだいいだいいだい…」」



力が強いところも瓜二つ。





「…黙って大人しくしてりゃ可愛い双子じゃねぇか」




影から見守る阿伏兎であった。



ーーーーーーーーーーーーーー



「ねぇ神威、私そっちに行くよってLINEしたんだけど
スマホ見てないでしょ?」


「え、そんなのどっかの戦場に忘れちゃったよ」



「阿伏兎ォォォォ!」


「なんで俺ェェェェ!」



「でもさななし、俺はななしがいること、なんとなく血の匂いで分かったよ」




「いやなんか気持ち悪いから
私も分かっちゃったけどさ、なんとなく神威はこっちいるかなってさ」



「それに今日あたり来るかなって、なんとなく予測はしてたんだ」


「それは純粋にすごいわ」




「じゃあスマホなんてもんは俺たちにはいらないね」


「やっぱりそうだよね!」


「え、買ってきてあげた俺の苦労は…」




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