出張!赤兎戦闘記

□弾バカの一目惚れ
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場所は太刀川隊の隊室

いつも通り、米屋と学校帰りにボーダー本部にきた
誰か模擬戦してくんねーかなと思ったのだが、米屋は溜まった宿題に追われ、他の本部の人はみんな忙しそうで相手が見つからない
出水はおとなしく隊室にこもった



ガチャリとドアを開けると、中のソファーにななしが横たわっているのが見えた
どうやらこいつだけ呑気にお昼寝タイムらしい


そりゃそうか、
ななしは仮にもお客様だ
ボーダーの偉いおじさま達が戦力欲しさに他所のマンガ(銀魂)から引き抜いてきたらしい
宇宙最強最悪の傭兵部族の彼女の仕事は殺し屋で、あっち、銀魂の世界でもトップレベルの戦闘力を誇っていたらしい



すごいのを引き抜いてきたもんだ
それに戦闘力だけだはなく、顔の偏差値も高い
これはボーダー隊員の中でしょっちゅう話題になっている


ななしが来てもう1ヶ月
彼女の魅力に心奪われている隊員は多いと噂で聞くが、A級1位太刀川隊シューター出水公平もその中の1人だった


ここに殺し屋が来るらしいと聞いて興味半分で行ってみようぜ米屋と出迎えに行った時
宇宙船から出てきたななしは当分忘れられそうにない

まさに一目惚れだった




そんな出水は、ななしの寝顔を一目拝もうとソファーに近づく

普通にしてるのも好きだけど、寝てるのはいつもに増して可愛い
ごくりと唾を飲んだ




「おーう、出水」

「あ、太刀川さん」



太刀川が入ってきた

ほっぺに寝跡がついてる、さっきまで寝てたな
この人も暇人かよ




「どうした、寝込みを襲うなら電気は消せって言っただろ」


「それ教わったことないっす
てかななしにぶっ飛ばされそう」


「大丈夫だろ
なんなら今こちょこちょでもやってみるか」



「いや、やめた方がいいっす」



出水の忠告を聞かなかった太刀川はななしにぶっ飛ばされ床に突っ伏した
そんなの知らないななしは小さな寝息をたてはじめた

太刀川さんざまーみろだわ、こりゃ


そもそもなんでななしが昼寝していたのかというと、太刀川隊の隊室で昼寝するのが最近は日課となっているからだ

ななしのためにボーダー内で部屋を用意してあるけれど兎は寂しいと死んじゃうんだよねと堂々寂しがり屋発言をし、となりの太刀川隊の隊室に来るようになった


太刀川と出水いつでもバトってくれるし、唯我はストレス発散にちょうどいいし、柚宇さん癒し系で好きだとここをかなり気に入ってるらしい
出水からすると、いや、癒し系はお前だよ、てな感じである



出水は以前、ななしの寝ているところにイタズラしてやろうと朱色の前髪を掻き上げ、そのおデコにデコピンしたことがある

その瞬間閉じられていたはずのななしの目はカッと開いて、グーパンチをくらわせた
出水は壁に吹っ飛び、そのまま意識をなくしたのだ


まるでアメとムチのような、痛かったけど癒されもしたあの時
被害者は太刀川さんで2人目か、とか思いつつ椅子をななしが見える位置まで引き寄せて座る


そしてポケットからスマホを出し、目の前の様子を写真にとって米屋に送りつけた


すぐにディスプレイが光り米屋から返信がくる

《うっはー、ななし最高かよ》
あのバカは絶対宿題サボっている



「いってー、やりやがったなこいつ」

「復活早いっすね」

ムクリと起き上がった太刀川にななしから視線を移した
太刀川は頭を掻きながらななしの方を見て口を開く


「しっかし、とんだ戦闘狂だと聞いたがこんな小動物みたいに愛くるしく寝られたらもう襲うしかねーな
よし、夜這いならぬ昼這いを決行する」

「違う意味で襲われますよ」










寝込みを襲ってみたい出水
勇者太刀川


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