出張!赤兎戦闘記

□賢くなりたい鳥
1ページ/1ページ




「司会より任されました、皆さんこんにちは嵐山隊の嵐山です!」


「同じく佐鳥です」
「どーも時枝です」


「同じく綾辻です
では嵐山隊による、『ボーダーの箱を開けたらなんじゃこりゃ⁉︎』のコーナーです!」



「今回もお待たせ致しました、木虎です
このコーナーは毎週木曜日、ボーダーの中身はどうなってるのかなと気になる視聴者様のために、ボーダーのことを詳しく紹介していきます!」



コソッ

「ねぇ佐鳥」

「なんっすかななし先輩」

「ネーミングセンスないねこのコーナー」

「しっ!そこは突っ込んじゃダメなとこっすよ!」

「じゃあ他のとこ突っ込んでいい?
なんで私が呼ばれたの?」

「そ、それは…」


「今回はボーダー本部からゲストをお招きしております!
ボーダーA級以上の実力を持ちながら隊に所属せず、ソロ活動を行っていますななしさんです!」


「おはこんばんちは!
ドクタース○ンプななしちゃんです!
ただいまソロ活動中、ニューシングル『ワイワイワールド』Now On Sale!」



コソッ

「スミマセン先輩どっから突っ込んでいいか分かんないっす」

「いいよ今のは、それア○レちゃんやないかーい!で」

「そんなツッコミで良かったんすか
てか今ので木虎が睨んでますよ」

「嫉妬だよ嫉妬
きっと木虎もボケたいんだよ」

「なんかねじ曲げてるけどポジティブシンキング!」


さっきからコソコソと佐鳥と会話しているななし

ななしはボーダーの中で異質な存在で、今後バレたら厄介だから今のうちに公開しておこうと嵐山隊の持ちコーナーに招待されたのだ

初のテレビ出演である


けれど、本当のことは言ってはいけないらしく、
根付さんから「今の時期に他所の世界からきましたなんて言ったら、近界民だと思われるに決まってる」とのお達しがあった

さっきは、俺たちと駄弁って終わらせたらいいから、肩の力ぬいてこうなと嵐山に言われたななし

信用できるし落ち着く人
嵐山に結構なついているななしは、最初は乗り気じゃなかったものの、佐鳥と時枝、木虎や綾辻に励まされて
よし頑張るか、とカメラの前に立ったのである

でもやっぱり、自分がテレビに出る理由が気になる

顔がいいとかなら烏丸とかに任せときゃいいのだ
木虎喜ぶし

そう悶々と考えてる間にも、コーナーは進む


「はい、じゃあサイコロ投げてくださいね」


「は、はい」


コソッ

「さとり!」

「なんすか!」

「なにサイコロって、もしかしてアレ?
あの有名な?
さっきの挨拶もおはこんばんちは!じゃなくてごきげんよう!が良かった感じのやつ?

ほんとに大丈夫なのコレ
嵐山隊はライオンじゃなくて虎だけど
木虎だけど」

「とにかく早く!サイコロ投げてしゃべるだけっすから!」

「ほいっ」

コロッ

「♪なにが出るかな、なにが出るかな
チャララ チャンチャン チャラララ」


思いっきりあの番組の歌を時枝が歌い出す
そしてそれを綾辻が拾って読み上げる

「はい出たのは〜、『佐鳥の話』
皆さんご一緒に、そんな奴いたかなー?」

「「「そんな奴いたかなー?」」」


コソッ

「佐鳥あんたこんなんでいいの」

「…いつもいじられるけど
思ったより辛辣でハートが傷ついてます」


「はい、じゃあななしさんには佐鳥との面白エピソードを話していただきたいと思います!」


「…佐鳥はとにかく賢いです
賢なだけに、はい」

「それ絶対適当に言ったでしょ先輩!
褒められたのは嬉しいっすけど!」



「あと彼の最大の特徴はツーストライクですね」

「ツインスナイプ!!」

「これはA級の中で彼一人しかできません、ツーストライク」


「だからツインスナイプ!
野球の強豪校っすかそれ、みんな一振りで決めますみたいな」


「ななしさん佐鳥のエピソードお願いします」


「あー、この前なんかはね、マク○ナルドでハンバーガー食べてたんですけど
ピクルスが入ってなかったらしくて店員に怒りに行ってました」

「小さい男ですね」

「そーです
もはや小鳥ですね、佐鳥って呼ぶのやめましょうね」

「佐鳥ツライ…」

「でもねそんな小鳥は、成績が中の下くらいなんですけど、
テスト前に鼻血出しながら勉強に励んでました
目標は学年トップだそうで
ねっ、佐鳥」

「え、あ、はい」


「彼はただの小鳥じゃあない
羽ばたきたい小鳥なのです

皆さんもうまくいかないこと、ありますよね

南ちゃんを甲子園に連れて行きたい、なのに最近は三振ばかり、
あぁ自分はもうダメだ、
そんなテレビの前のタッちゃんの皆さん、めげないでください」

「思いっきりタッ○なんすけど」


「佐鳥を見てください
どんなに2.9枚目だと言われても
気づいたら土下座をしていても
顔窓扱いされてても

彼は決して己の戦場、マウンドに立つことをやめません
必ずツインスナイプを決めて誇らしげに帰ってくるのです


だから皆さんも、また立ち上がってドカンとホームランを決めてください
和也の分まで、南ちゃんの夢を叶えてください


上杉ななしは、佐鳥賢を愛しています
世界中の誰よりも」


「ななしせんぱーい!」

「ななしィィ!」

ーーーーーーーーーーーーーーー


「そうだななし、お前広報担当になったから
一緒にがんばろうな」

「じゅんじゅん、まじ?」

「根付さんがボーダーの評判が上がったって喜んでたぞ
これからななしも使いたいって」

「あのおかげで佐鳥、変な勘違いしてますよ
まあ練習量が増えてて、こっちとしては良いんですけどね」

「とっきー?」

「ななしせんぱーい!」

「ほらきた」

「ぎゃぁぁぁ」






単純な佐鳥、告白と勘違い
でもボーダー内でななしを先輩って呼ぶのは彼だけです


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ