出張!赤兎戦闘記

□一人の強者と一匹の兎
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「みなさんこんにちは〜
太刀川隊オペレーター国近柚宇です


前回の「バナナ同盟」と続いて
A級のトップチーム3つと、他所(銀魂)から来た最強の殺し屋にしてボーダーの助っ人、ななしが遠征にきてるよ

あ、前回を見てなくても大丈夫
今から大体のこと喋っちゃうからね

ななしは非常時のためにメインとサブの両方にスコーピオン、防御としてシールドっていう風間さんチョイスのトリガーを持ってるよ

でもななしは番傘メインに戦っててるから、スコーピオンの出番はないかも
それと、トリガー起動した時の服装はチャイナ服にしてもらったみたいだよ
ななしはいつも着てるからそれがいいよね

さて、遠征初日も終わって、皆が遠征艇に帰ってきたところから今回は始まるよ

いずみんとしてはななしと共闘したいみたいだけど、
ななしは今冬島隊と組んでて難しいかなぁ

いずみんごめんね〜」

「ちょっ、何喋ってんすか!」

「ななしは冬島隊のスナイパー当真さんと仲が良くって、共通点も多いみたい

例えば昼寝するところとか、頭脳より感覚派なところとか、
同じ18歳ってところとか
あ、私も18歳、覚えといてね

それに、バナナが好きで同盟くんだらしくて、今日も一緒に戦ってたよ

ボーダーで言うとななしの戦い方は近中距離のオールラウンダー、
それに対して当真さんは遠距離のスナイパー
相性は抜群なんじゃないかな

いずみんごめんね〜」

「柚宇さんってば!」

「じゃあオペレーターの独り言もこれくらいにして、ななしの方に場面を切り替えるよ
ばいばい〜」

「柚宇さん…」




「すぴーすぴー」

「ななしィ、起きろ」

「太刀川、近界民に、喰われた…」

「まじかよ俺!」

「本気にすんな太刀川さん、寝言だぜ」

「ああああ…」

「しっかし遠征艇の廊下で昼寝かますたぁ上等だ、今度俺もやろ」

「やめとけ当真
ななしならまだ可愛いから置いとけるが、お前は普通に捨てられる」

「うっせーよ冬島さん」

「うるさいのはアンタだよ勇」

「起きたか」

「久しぶり冬島、戦場じゃ会わなかったね」

「そりゃそうだ、俺はパソコン相手にお前らの援助してたからな」

「冬島さんにとっちゃ、画面が戦場なんだぜ」

「なるほど自宅警備員ね」

「もうお前ら黙ってろよ」

「よっしゃ、飯行くぞー」

「バナナあるかな?」

「やっぱそれ気になるよな」

「ななしヨダレ拭けよ」


廊下で居眠りしていたななしを連れ、太刀川、冬島、当真はそのまま食堂へ向かう


「そういえば、冬島隊のオペレーターさんってどんな人なの?」

「あぁ、真木理佐ってんだ
まだ会ってねぇのか?」

「会ってないよ
戦ってる時、音声で色々教えてくれた人でしょ?」

「そうだ、ちなみにこの冬島隊長も頭が上がらねぇ、すごいお方だ」

「う…」

「へえ、随分すごいお姉さんなんだね」

「お姉さんじゃねーよ、まだ16歳の女子高生」

「年下か、まあ年齢とかあんま気にしないけど」

「そうだよなななし、普通に城戸さんにタメ口だもんな」

「ある意味すごいお姉さんだよこいつ」

「ちょ、ななし食い過ぎじゃね」

「それで何杯目だよ」

「すいませーん!
足りないんで御釜ごとくださーい」

ガツガツガツ


仲良く並んで夕飯を食べ、また明日に備えて就寝
日が昇ったら出かける

今回の遠征先であるこの国では、戦争中のため交渉など呑気なことをやってる場合ではなかった
彼らは戦闘を繰り返して、大分収穫としてトリガーが集まってきた


「連携技に磨きがかかって来たな、相棒」

「こんだけ時間があればさすがにね」

「前を見ろよ、今日は特別多いぜ」

「今殺ったので3体か」

「モールモッド2体に…おい、アレなんだ?」

「⁉︎」

突然立ち込めてきた煙に、当真はななしと音信不通になる

建物の上にいた当真は平気だったのだが、ななしは下の方にいたため煙でその姿も見えなくなってしまった

足元がみえた、しかし宙に浮いているではないか
当真は焦った

「ななしィィ!!」

煙が出ているのを見たらしく、出水と太刀川も近くに駆けつけてきた

辛うじて見えるその足元がバタついている

「なにがあった⁉︎」

「わからん」

煙が晴れ、人型近界民に首を片手で掴まれ持ち上げられているななしが見えた

「人型近界民!」

「しゃ、来たか」

「柚宇さん、この人型は一人だけっすか?」

《そうみたいだよ〜》


その瞬間
ななしは掴まれた首から建物に吹っ飛ばされた


ガシャァァン

パラパラ…

建物に穴が開き、そこからは砂煙が立ち込めていた

「アステロイド」

キィィィン

急だったにも関わらずシールドを張り人型近界民は出水の攻撃を避けた
そして当真達の存在に気づいたようだ

すかさず太刀川が間合いを詰める

「旋空弧月」

太刀川の二刀流から繰り出される攻撃は、人型近界民に躱された

「腕が立つな、お前らは玄民か」

「ご名答」

カラッ、ガシャン

「…でも無いかな、半分アタリで半分ハズレ」

「手を出すなよ、そいつは私の獲物だ」

舞い上がる砂煙の中から、狂気的な笑みを浮かべたななしが出てきた

「どういう事だ、こいつは玄民ではないのか」

「まぁ、そういう事」

「片手で私を掴み上げ、突き飛ばすその腕力、この戦場で一人生き残るその強さ

アンタを気に入ったよ

悪いけど地球のお侍さん方、アンタ達には下がってもらうよ
命が惜しかったらそこで指をくわえて見てると良い
邪魔しようってんなら

殺しちゃうよ」


「小娘、一人で挑もうってのか」


「アンタみたいな強者に、ピッタリな強者がここに一匹

ちょうど良いでしょ?
アンタも私も、強者と戦場を求めてたんだから」









この時太刀川と当真は笑ってて
出水は冷や汗かいて口開けてますね、多分


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