出張!赤兎戦闘記

□戦闘狂の本領発揮
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「アンタみたいな強者に、ピッタリな強者がここに一匹

ちょうど良いでしょ?
アンタも私も、強者と戦場を求めてたんだから」


突如現れた人型近界民に勝負をふっかけたななし



弾丸を数発放ち、人型近界民がその対処に追われているうちに間合いを詰め、
傘で殴りかかる

しかし、惜しくも手で受け止められ、その手から小さなブレードが出てくる


「…っ!」


手だけではない
人型近界民の体から出した忍者の使うクナイのようなブレードが頭から肩、腕にかけて刺さり、その場に仰向けに倒れる




「悪いな小娘、傷物にしちまって
俺は体の至るところからブレードを出せるもんでな」


カチャ

人型近界民はななしの体を踏んで心臓に手と繋がったブレードを突き立ててきた


体からいつものように血ではない、
トリオンが出て、変な感覚を覚えたななしも負けじと傘を人型近界民の顔に向けて構える




「先手必勝

そんな4文字を頭に思い浮かべたか、小娘


これは爆弾ゲームだ

爆弾の導火線に順番に息を吹きかけ、導火線をどんどん短くしていく
爆弾を爆発させた方が負け


先手を取ったお前は自由に導火線を短くできる
しかし最初だから加減が分からない

対して後攻にまわった俺はお前の出方を観察し計画的に攻撃できる


つまり、先攻の者ではなく後攻の者が勝利を掴む


この勝負
先に息を吹きかけに来たお前の負けだ」





「決まりやルールを守るあたり、アンタは真面目だね

そして逆に言えばそんな柵(しがらみ)に囚われてる敗者だ」


「急に何を言いだすか
お前が今更言ったところで、負け犬の遠吠えにすぎんわ」



「確かに爆弾ゲームは後者が勝てる仕組みになってるかもしれない


けど、ゲームの参加者が他にいたとしたら

本当の先手が私の他にいたとしたら

もし、
そいつが先手で起爆装置を仕掛けていたとしたら?」



窮地に追い込まれているはずのななしの不敵な笑みに人型近界民は一歩後ずさった

ザッ


ドォンッ ドォンッ


「何ッ⁉︎」



「背後に仕掛けた起爆剤にも気づかねーのかマヌケ野郎

その炸裂弾(メテオラ)、
キューブ型にして後ろに仕掛けといたんだぜ」


「小娘、さっきはお前一人でやると…!」


トリオンがこぼれ出す人型近界民の背後から、太刀川がとどめの一太刀を浴びせる



「アイツの言葉だけを聞いて、俺たちがいたことを忘れたか」



「騙したな…」



「え?フェアじゃないって?
堅いこと言わないでね
ゲームは騙してなんぼでしょ


ちなみに私が思い浮かべた4文字は先手必勝じゃない

自己欺瞞だよ」



ザシュッ






いつの間に体勢を立て直したのかその戦場で堂々と胡座をかくななしに出水、太刀川だけが残った

当真が降りてくる




「ごめんね勇」



「相棒に見事騙された」


「敵を騙すにはまず味方から
更にその前に自分の心を騙すってね

自己欺瞞、師匠が言ってた」



「なるほど、一時的な自己欺瞞ってワケか

サシで勝負したいという本来の願望を自己欺瞞によって押さえつけ、
太刀川さんと出水と連携プレーをとる


そして人型近界民が現れた時にはサシの勝負を申し付け、
味方の俺と敵の人型近界民にこれが自分の欲求だと騙した


ななしをギリギリの所に追い込んだと油断した人型近界民に対して
キモい挑発的な笑みを浮かべ余裕な様子を見せることで、
敵を一気に不安にさせる」


「キモいっていらないんだけど」


「後ずさった先には
出水の仕掛けたキューブ型の炸裂弾(メテオラ)が待っていて、奴の背後を叩く

最後は太刀川さんのトドメの一刺し」


「解説あざっす当真さん」

「とりあえずノーマルトリガーもゲットしたし、帰るか」

「太刀川さん満足しただけでしょ」

「帰ってバナナ食べたい」

「俺も」

「とりまななしはトリガーオフしろよ
ブレード刺さってて見てらんねー」


「え、自分で取れるでしょこんくらい」


「「「あああああ!」」」











ななしの堅いこと言わないでねって言葉は、
銀魂の阿伏兎のセリフ
「堅いこと言うなよ、たかがクイズだろ」
からもらってます
気になった人は銀魂原作をチェケラ!
…すいません調子に乗りました





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