好きな人。

□Episode 11
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新しく入ってきた1年マネージャーのななし名無しちゃん
小さくて可愛い女の子なんやけど、人をひきつける何かを持っとる子で
一瞬で私のハートを奪っていった子


「彩さん」

「彩、やろ?」

「え…?」

「いつの間にか彩さんって呼んどるやん」

「だ、だって!」

「名無しちゃんって呼ぶで?」

「他の人は彩さんって呼んどるやないですか!」

「名無しは彩って呼んでくれるんやろ?」

「そんなのできません!」

「なら彩以外で呼んだらちゅうするで?」


バスの一番前の席で会話する2人
周りがガヤガヤしとるのに耳に入ってくる会話

名無しは唯一彩を好きになってない女の子やと思う
学校1人気者の彩に目をハートにせん女の子なんかおらんと思っとったのに
案外おるもんなんやな…

彩と名無しはいつの間にか静かになっとって寝たんやと思う


「菜々ちゃん、あと何分くらいで着く?」


隣の里香ちゃんが聞いてきた


「もうすぐやで」

「了解」


合宿場には10分もなく着いた
マネージャーやから1番に降りたんやけど、彩たちの方をチラッとみれば
彩の肩に頭を乗っけとる名無しとその上に頭を乗っけとる彩がおって心臓が苦しくなった


「菜々さんっ!!」

「え、名無し!?」

「ごめんなさい、私寝ちゃってて…」

「大丈夫やで」


菜々さん、彩さんって呼ぶ名無しはどんなことを思って呼んどるん?
いつか名無しに菜々って呼び捨てにしてもらえんかな…
名無しは優しいから頼んだら1回だけ呼んでもらえるかな

目の前にある小さな背中に抱きついてみた


「な、菜々さん!?」

「名無し小さいなぁ笑」

「むぅ…絶対大きくなりますもん…」

「ふふ、名無しはそのまま大丈夫やで」


やから、まだ誰のものにもならんといてな


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